ミョウガの花粉発芽および花柱内花粉管伸長に及ぼす温度および相対湿度の影響
ミョウガ (Zingiber mioga Roscoe 2n=55) は日本原産の香辛野菜である. 種子稔性が低く, 交雑育種は困難である. 低い稔性の原因を究明するために, 花粉の発芽と花柱内の花粉管伸長力に及ぼす温度, 湿度および季節の影響を室内実験で検討した. 人工培地上での花粉発芽の適温は10°C~15°Cであったが, 花柱内の花粉管伸長は20°C~25°Cにおいて勝れ,15°Cおよび30°Cでは抑制された. 花粉発芽や花粉管の花柱内伸長力は湿度が高くなるほど増大し, 最適相対湿度は100%かそれに近い高湿度であった. 60%や80%の湿度条件下で短時間処理した花粉は, たとえ培地へ置...
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Veröffentlicht in: | Engei Gakkai zasshi 1988, Vol.57(1), pp.43-51 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | ミョウガ (Zingiber mioga Roscoe 2n=55) は日本原産の香辛野菜である. 種子稔性が低く, 交雑育種は困難である. 低い稔性の原因を究明するために, 花粉の発芽と花柱内の花粉管伸長力に及ぼす温度, 湿度および季節の影響を室内実験で検討した. 人工培地上での花粉発芽の適温は10°C~15°Cであったが, 花柱内の花粉管伸長は20°C~25°Cにおいて勝れ,15°Cおよび30°Cでは抑制された. 花粉発芽や花粉管の花柱内伸長力は湿度が高くなるほど増大し, 最適相対湿度は100%かそれに近い高湿度であった. 60%や80%の湿度条件下で短時間処理した花粉は, たとえ培地へ置床する前に, 100%湿度条件下に戻しても, もはや発芽力を回復することはなかった. 花穂を60%湿度に3時間おいた後に, 100%湿度下において受粉すると, 花柱内花粉管伸長は明らかに遅延した. 花粉稔性と花柱内花粉管伸長力は1月が勝れた. 一方, 高温期の8月と9月は小粒不稔花粉が増え, また,花粉管伸長力も劣った. 6月は花粉稔性は1月と同等であったが, 花柱内花粉管伸長は劣った. 要するに, 生育期が冷涼気候下にあり, 受粉時の温度が20°C~25°Cにあることと, 花粉および柱頭を取り巻く受粉時の環境が, 安定的に高湿度であることが, ミョウガの結実を促進する条件と考えられる. |
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ISSN: | 0013-7626 1880-358X |
DOI: | 10.2503/jjshs.57.43 |