愛媛県において認められた犬の肺吸虫症

1975年から1978年に愛媛県上浮穴郡において, 発咳を主症状とする犬4頭から肺吸虫卵を検出した. 虫卵は, 卵円形あるいは楕円形を呈し, 長径約75μm, 短径約45μmで, 短径の最大幅は虫卵の中央部付近に認められるものが多かった. 卵蓋の縦径は約4μm, 横径は約20μmであった. また, 卵殻の厚さは約1μmであり, 卵蓋反対側の卵殻に肥厚や小突起は認められなかった. 以上の形態学的特徴から, 本吸虫卵は宮崎肺吸虫卵と考えられ, この地方の犬における宮崎肺吸虫の蔓延が示唆された. 各症例犬に対してビオチノールを1日あたり50mg/kgずつ, 1日1回あるいは朝夕25mg/kgの2分服...

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Veröffentlicht in:Nippon Juishikai zasshi 1989/07/20, Vol.42(7), pp.495-498
Hauptverfasser: 菅野, 紘行, 余戸, 庄作, 深瀬, 徹, 茅根, 士郎, 板垣, 博
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:1975年から1978年に愛媛県上浮穴郡において, 発咳を主症状とする犬4頭から肺吸虫卵を検出した. 虫卵は, 卵円形あるいは楕円形を呈し, 長径約75μm, 短径約45μmで, 短径の最大幅は虫卵の中央部付近に認められるものが多かった. 卵蓋の縦径は約4μm, 横径は約20μmであった. また, 卵殻の厚さは約1μmであり, 卵蓋反対側の卵殻に肥厚や小突起は認められなかった. 以上の形態学的特徴から, 本吸虫卵は宮崎肺吸虫卵と考えられ, この地方の犬における宮崎肺吸虫の蔓延が示唆された. 各症例犬に対してビオチノールを1日あたり50mg/kgずつ, 1日1回あるいは朝夕25mg/kgの2分服として5日間連続経口投与した結果, 全例において虫卵の排出が陰転し, 臨床症状の改善が認められた. また, 駆虫薬投与6年後に発死した1頭を剖検したが, 肺に肉眼的病変は観察されなかった.
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma1951.42.495