限性黄繭における転座障害と転座染色体の大きさ

限性黄繭系統の転座障害を具体的に明らかにするとともに, 転座染色体の大きさについて検討した。その結果, 当研究室所有の系統は, 5齢期蚕体重からみた成長曲線の雌雄差がほとんどなく, 上蔟前に雌が雄より若干重くなる程度であった。対4齢起蚕健蛹歩合は, 春, 初秋, 晩秋のすべての蚕期において, ほとんどの系統で雌が雄より劣り, 初秋及び晩秋蚕期に雌にのみ脱肛蚕が出現した。さらに蛹体重の雌雄差は, 通常品種に比べ少なく, 繭層重については雌雄の関係が逆転し, 雌が軽くなった。 転座染色体の大きさについて検討した結果, W染色体に転座した第2染色体は+Grcol (6.9) 及び+i-lem (29...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Nihon sanshigaku zasshi 1987/06/28, Vol.56(3), pp.240-246
Hauptverfasser: 新野, 孝男, 神田, 俊男, 江口, 良橘, 嶋崎, 旭, 渋川, 明郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:限性黄繭系統の転座障害を具体的に明らかにするとともに, 転座染色体の大きさについて検討した。その結果, 当研究室所有の系統は, 5齢期蚕体重からみた成長曲線の雌雄差がほとんどなく, 上蔟前に雌が雄より若干重くなる程度であった。対4齢起蚕健蛹歩合は, 春, 初秋, 晩秋のすべての蚕期において, ほとんどの系統で雌が雄より劣り, 初秋及び晩秋蚕期に雌にのみ脱肛蚕が出現した。さらに蛹体重の雌雄差は, 通常品種に比べ少なく, 繭層重については雌雄の関係が逆転し, 雌が軽くなった。 転座染色体の大きさについて検討した結果, W染色体に転座した第2染色体は+Grcol (6.9) 及び+i-lem (29.5) 遺伝子を有していることがわかった。従って, 転座している第2染色体はかなり大きく, その全部あるいは大部分がW染色体に付着しているものと考えられた。
ISSN:0037-2455
1884-796X
DOI:10.11416/kontyushigen1930.56.240