ラットにおける [14C] コレステロールの吸収, 体内移行に及ぼすユーグレナ (Euglena glacilis Z) の影響

Euglena細胞の摂取がコレステロールの吸収・代謝に及ぼす影響を検討するために, タンパク質の75%をEuglena由来とした飼料を与えたラットへの [14C] コレステロール投与実験を行なった。 Euglena食群は対照群と同様の生育を示し, 両群で有意な差は認められなかった。また両群の臓器比体重にも有意差はなかった。 経口投与した [14C] コレステロールの排泄量はEuglenaを摂取することにより著しく増加し, コレステロール消化管内保持時間も大きく短縮された。このため各組織への放射活性の分布率は多くの組織で対照群よりEuglena食群が有意に低値を示し, さらに対照群では各組織への...

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Veröffentlicht in:Nihon Eiyō, Shokuryō Gakkai shi 1987, Vol.40(3), pp.193-198
Hauptverfasser: 河野, 裕一, 中野, 長久, 北岡, 正三郎, 加藤, 清, 重岡, 成, 大西, 俊夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:Euglena細胞の摂取がコレステロールの吸収・代謝に及ぼす影響を検討するために, タンパク質の75%をEuglena由来とした飼料を与えたラットへの [14C] コレステロール投与実験を行なった。 Euglena食群は対照群と同様の生育を示し, 両群で有意な差は認められなかった。また両群の臓器比体重にも有意差はなかった。 経口投与した [14C] コレステロールの排泄量はEuglenaを摂取することにより著しく増加し, コレステロール消化管内保持時間も大きく短縮された。このため各組織への放射活性の分布率は多くの組織で対照群よりEuglena食群が有意に低値を示し, さらに対照群では各組織への分布率で12時間後より24時間後に増加する傾向が認められたがEuglena食群ではほとんど増加しないあるいは減少する傾向が得られた。吸収されたコレステロールに対する各組織への分布率は両群に大きな差はなく, 肝臓, 小腸における放射活性の脂質成分中の分布にも有意な差は認められなかったため, Euglena食の摂取は, 摂取コレステロールの組織分布には影響を及ぼさないと考えられた。またEuglena食群の糞より抽出した脂質の遊離コレステロール画分への放射活性分布率が対照群より高かったこと, 糞抽出水溶性画分の放射活性の分布率が対照群より低かったことより, Euglena食による摂取コレステロールの排泄量増加は, 胆汁酸の再吸収阻害というよりむしろコレステロールの吸収自体を抑制することに起因すると判断した。
ISSN:0287-3516
1883-2849
DOI:10.4327/jsnfs.40.193