ニホンジカにみられた壊死性腸炎の1例

ニホンジカ (Ccrvus nippon) 約20頭を飼養する鹿牧場で, 1986年7月初旬に3頭のシカがとくに症状を示さず急死した. 死亡した1頭を剖検したところ, 小腸粘膜は暗赤色を呈し, 血様泥状の腸内容を容れていた. 病理組織学的検査で小腸の粘膜上皮は変性剥離し, 固有層に血管の拡張と高度な出血, 円形細胞, 好酸球, 好中球の浸潤を認めた. 細菌学的検査では, 小腸内容から有毒株のClostridium perfringens A型菌が5×108個/g分離された. 以上の成績から, 本症例はC.perfringens A型菌が関与した壊死性腸炎と診断された....

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Nippon Juishikai zasshi 1987/09/20, Vol.40(9), pp.663-665
Hauptverfasser: 佐藤, 良彦, 菅沼, 隆, 清水, 正樹, 木下, 博司, 市川, 憲一, 平澤, 博一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ニホンジカ (Ccrvus nippon) 約20頭を飼養する鹿牧場で, 1986年7月初旬に3頭のシカがとくに症状を示さず急死した. 死亡した1頭を剖検したところ, 小腸粘膜は暗赤色を呈し, 血様泥状の腸内容を容れていた. 病理組織学的検査で小腸の粘膜上皮は変性剥離し, 固有層に血管の拡張と高度な出血, 円形細胞, 好酸球, 好中球の浸潤を認めた. 細菌学的検査では, 小腸内容から有毒株のClostridium perfringens A型菌が5×108個/g分離された. 以上の成績から, 本症例はC.perfringens A型菌が関与した壊死性腸炎と診断された.
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma1951.40.663