トマトの新接ぎ木方法 : 腋芽部挿し接ぎ法
九十九里海岸砂地地帯は,トマトの抑制栽培,促成栽培の県内における主産地である。このため,低湿地に出易い青枯病が抑制栽培に,また,褐色根腐病などの新土壌病害が促成栽培に発生し,対策として接ぎ木栽培が求められている。しかし,トマトは,栽植本数が多く,大量の苗を必要とする。そこで,大量育苗のための新接ぎ木法として腋芽部挿し接ぎ法を考案し,その特性を検討した。1. 腋芽部挿し接ぎ法は,4葉期の台木の下位2葉残して茎の上部を切断し,台木下位葉の腋芽に挿し接ぎするものである。2. 腋芽部挿し接ぎの夏期の管理方法は,接ぎ木後1日間は,遮光ネット2枚にビニールトンネルとするが,その後トンネル上部に換気穴を開け...
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Veröffentlicht in: | 千葉県農業試験場研究報告 = Bulletin of the Chiba-Ken Agricultural Experiment Station 1987-03 (28), p.1-8 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 九十九里海岸砂地地帯は,トマトの抑制栽培,促成栽培の県内における主産地である。このため,低湿地に出易い青枯病が抑制栽培に,また,褐色根腐病などの新土壌病害が促成栽培に発生し,対策として接ぎ木栽培が求められている。しかし,トマトは,栽植本数が多く,大量の苗を必要とする。そこで,大量育苗のための新接ぎ木法として腋芽部挿し接ぎ法を考案し,その特性を検討した。1. 腋芽部挿し接ぎ法は,4葉期の台木の下位2葉残して茎の上部を切断し,台木下位葉の腋芽に挿し接ぎするものである。2. 腋芽部挿し接ぎの夏期の管理方法は,接ぎ木後1日間は,遮光ネット2枚にビニールトンネルとするが,その後トンネル上部に換気穴を開け,徐々に換気量を増やしトンネル換気中は穂木がややしおれる程度に換気量を調節するのが良い。3. 穂木は,胚軸を使用せず,子葉上部を用いた方が密着度が高く活着率が安定し,多収した。4. 穂木の葉数は,2葉より3葉の方が接ぎ木時間は短く,生育は早く多収した。5. 腋芽部挿し接ぎ法は,抑制栽培では呼び接ぎ,割り接ぎ,慣行挿し接ぎより接ぎ木時間短く,大量育苗に適し,また,多収した。促成栽培では,呼び接ぎ,抱き接ぎ,割り接ぎより接ぎ木時間が短く,本圃での生育も良かったが,特に不定根の発生が極めて少なかった。 |
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ISSN: | 0577-6880 |