乳用牛の分娩前における過肥が分娩後の血中脂質成分に及ぼす影響
complete feedsの自由採食を行っていた牛群で, 分娩前に過肥の傾向が認められた牛と過肥でなかった牛を用いて, 分娩後の体重, 乳量および血中脂質成分の変動を調査した。 過肥牛群 (A群) は6頭で, 分娩前の平均体重は858kgであった。非過肥牛群 (B群) は15頭で分娩前の平均体重は728kgであった。採血と体重測定は, 分娩後10週まで毎週1回実施した。分娩後の体重減少はA群において顕著で, B群に比較すると回復も遅かった。A群のグルコースは分娩後1週目に平均で45.8mg/dlと低い傾向を示し, 同一時点のNEFAも高い傾向を示した。またA群では, ケトン体のうちのβ-ヒド...
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Veröffentlicht in: | JAPAN JOURNAL OF VETERINARY INFORMATICS 1986/06/25, Vol.1986(16), pp.13-18 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | complete feedsの自由採食を行っていた牛群で, 分娩前に過肥の傾向が認められた牛と過肥でなかった牛を用いて, 分娩後の体重, 乳量および血中脂質成分の変動を調査した。 過肥牛群 (A群) は6頭で, 分娩前の平均体重は858kgであった。非過肥牛群 (B群) は15頭で分娩前の平均体重は728kgであった。採血と体重測定は, 分娩後10週まで毎週1回実施した。分娩後の体重減少はA群において顕著で, B群に比較すると回復も遅かった。A群のグルコースは分娩後1週目に平均で45.8mg/dlと低い傾向を示し, 同一時点のNEFAも高い傾向を示した。またA群では, ケトン体のうちのβ-ヒドロキシ酪酸は分娩後ずっと有意に高い値を示した。コレステロールとリン脂質は, 両群とも分娩2週以後, 日数経過に伴って増加する傾向を示したが, 過肥のA群では増加の程度が緩慢であった。 以上のことから, 分娩前に過肥の傾向にある牛では, 分娩後エネルギー摂取不足に陥り, 脂質の動員を招来してケトーシスに罹患し易い傾向にあると推察された。 |
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ISSN: | 0912-8913 1884-5614 |
DOI: | 10.2743/jve1986.1986.13 |