チャに対する尿素の葉面散布が施肥窒素の吸収,同化および転流に及ぼす影響

チャに対する尿素の葉面散布が施肥窒素の吸収,同化,転流に及ぼす影響を検討するため,幼茶樹を供試し^ Nトレーサー法を用いてポット試験した。結果は次のように要約される。1)葉面から吸収された窒素の大部分はグルタミンに同化され,その後すみやかにタンパク質やカフェインに代謝されたが,テアニンへの代謝はきわめて少なく,さらに根へ転流する量も少なかった。一方,根で施肥窒素から同化されたグルタミンは根のタンパク質合成に利用されるほか,テアニンに代謝されたり,葉部へ転流した。2)新芽の生育初期では,施肥窒素はタンパク質およびカフェインに代謝されたが,その後,施肥窒素由来のテアニンの転流が増加し,新芽に集積し...

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Veröffentlicht in:Nippon dojō hiryōgaku zasshi 1986/06/05, Vol.57(3), pp.237-242
Hauptverfasser: 鳥山, 光昭, 松元, 順
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:チャに対する尿素の葉面散布が施肥窒素の吸収,同化,転流に及ぼす影響を検討するため,幼茶樹を供試し^ Nトレーサー法を用いてポット試験した。結果は次のように要約される。1)葉面から吸収された窒素の大部分はグルタミンに同化され,その後すみやかにタンパク質やカフェインに代謝されたが,テアニンへの代謝はきわめて少なく,さらに根へ転流する量も少なかった。一方,根で施肥窒素から同化されたグルタミンは根のタンパク質合成に利用されるほか,テアニンに代謝されたり,葉部へ転流した。2)新芽の生育初期では,施肥窒素はタンパク質およびカフェインに代謝されたが,その後,施肥窒素由来のテアニンの転流が増加し,新芽に集積した。生育後期になると,新芽のテアニンは他の窒素化合物に代謝され含有率は著しく減少した。3)無窒息区では,新芽,成葉の葉面から吸収された尿素のグルタミンへの同化量は多かったが,すぐに体内でタンパク質に代謝されたため,新芽のテアニンおよびその他のアミノ酸の増加に対する寄与は低かった。4)尿素の葉面散布によって葉面散布期間中の施肥窒素の吸収,テアニンへの同化および新芽への転流は一時低下したが,散布以後の吸収,同化,転流量は無散布区よりも多くなり,新芽のテアニン含有率は葉面散布によって高まった。
ISSN:0029-0610
2424-0583
DOI:10.20710/dojo.57.3_237