猫の脳内クリプトコックス症の開頭手術と化学療法による治療

3才の雌日本猫が, 呼吸困難と歩行異常を主訴として来院した. 脳血管撮影により, 右前大脳動脈支配域に腫瘤を確認し, 前頭部の開頭手術を行い, 乳白色肉芽腫様腫瘤を摘出した. 病巣部は髄膜表層とクモ膜下腔が巣状となっていた. 摘出物中に黄膜をもった球形の分芽菌を直接鏡検で確認したこと, ならびに病理組織学的所見からクリプトコックス症と診断した. 症例は, 初めアムフォテリシンB1mg/kg静注を3日に一度の割合で14回投与されたが, ラテックス凝集試験による抗原価が低下せず, その後, アムフォテリシンB0.5mg/kg隔日投与と, 5-フルオロシトシン94mg/kgbidを連日経口投与した結...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Nippon Juishikai zasshi 1986/07/20, Vol.39(7), pp.432-436
Hauptverfasser: 山村, 穂積, 三枝, 早苗, 落合, 文憲, 高石, 直人, 伊勢, 武人, 石崎, 俊文
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:3才の雌日本猫が, 呼吸困難と歩行異常を主訴として来院した. 脳血管撮影により, 右前大脳動脈支配域に腫瘤を確認し, 前頭部の開頭手術を行い, 乳白色肉芽腫様腫瘤を摘出した. 病巣部は髄膜表層とクモ膜下腔が巣状となっていた. 摘出物中に黄膜をもった球形の分芽菌を直接鏡検で確認したこと, ならびに病理組織学的所見からクリプトコックス症と診断した. 症例は, 初めアムフォテリシンB1mg/kg静注を3日に一度の割合で14回投与されたが, ラテックス凝集試験による抗原価が低下せず, その後, アムフォテリシンB0.5mg/kg隔日投与と, 5-フルオロシトシン94mg/kgbidを連日経口投与した結果, 10ヵ月後に抗原価も低下し, 寛解したものと考えられた.
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma1951.39.432