公共育成牧場における優良牧区の成立要因
優良草地の成立要因を解明し,草地の維持管理法の参考とするために,全国の公共育成牧場に対して行なった優良牧区と衰退牧区についてのアンケート調査結果を用い,数量化2類の手法により成立草地の造成,管理および利用に関する13の要因(造成方法,牧区の取り方,牧区内樹林の有無,牧区の傾斜度-起伏程度,牧場基地から該当牧区までの距離-牧場内道路の整備状況(距離-道路整備とする),斜面方位,造成年次,年間N施肥量,掃除刈の有無,草地の利用区分,利用畜種,放牧回数,放牧圧)を解析した。結果は次の通りである。1.優良牧区の現状として牧草収量が多い,牧草密度が高いと指摘するものが多く,衰退草地は雑草の発生,牧草密度...
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Veröffentlicht in: | Nippon Sōchi Gakkaishi 1985/07/30, Vol.31(2), pp.182-191 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 優良草地の成立要因を解明し,草地の維持管理法の参考とするために,全国の公共育成牧場に対して行なった優良牧区と衰退牧区についてのアンケート調査結果を用い,数量化2類の手法により成立草地の造成,管理および利用に関する13の要因(造成方法,牧区の取り方,牧区内樹林の有無,牧区の傾斜度-起伏程度,牧場基地から該当牧区までの距離-牧場内道路の整備状況(距離-道路整備とする),斜面方位,造成年次,年間N施肥量,掃除刈の有無,草地の利用区分,利用畜種,放牧回数,放牧圧)を解析した。結果は次の通りである。1.優良牧区の現状として牧草収量が多い,牧草密度が高いと指摘するものが多く,衰退草地は雑草の発生,牧草密度の低下,裸地化を指摘するものが多かった。2.優良牧区,衰退牧区を判別する重要要因は牧区の傾斜度-起伏程度,距離-道路整備,草地の利用区分,年間N施肥量,放牧回数,斜面方位,放牧圧と考えられた。3.優良草地を成立させる条件は傾斜が少なく,起伏のない,牧場の基地から近く,牧場内の道路がよく整備されている,放牧採草兼用草地で,さらに,年間N施肥量が多く,放牧利用回数が多いなどのカテゴリーであり,これらが揃う牧区ほど草地の状態は良好に保たれると推定された。4.判別の適中率は83.1%であり,各要因に数量的に重みずけることにより優良草地の成立条件を定量的に明らかにできた。 |
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ISSN: | 0447-5933 2188-6555 |
DOI: | 10.14941/grass.31.182 |