愛知県の山地における食ふん性コガネムシ類成虫の発生消長
愛知県北設楽郡の放牧地において,1982年5月下旬より11月上旬まで,設置後1, 2, 3日と経過したふん内に見られる食ふん性コガネムシ類成虫の種数および個体数を調査した。 1) 採集個体数は2科4属51,225個体であり,個体数の多い種はフチケマグソコガネ(46.3%),マグソコガネ(22.1%),カドマルエンマコガネ(21.7%)の順で以上の3種で全採集個体の約90%を占めた。 2) 種により主としてふんの直下の地中に生息する種とふん内に生息する種とがあったが,両種とも6月中旬から7月中旬にかけて出現のピークがみられた。この出現ピーク時に,地中で生息する種ではふん設置後の経過日数とともに個...
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Veröffentlicht in: | Nihon Ōyō Dōbutsu Konchū Gakkai shi 1984/11/25, Vol.28(4), pp.217-222 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 愛知県北設楽郡の放牧地において,1982年5月下旬より11月上旬まで,設置後1, 2, 3日と経過したふん内に見られる食ふん性コガネムシ類成虫の種数および個体数を調査した。 1) 採集個体数は2科4属51,225個体であり,個体数の多い種はフチケマグソコガネ(46.3%),マグソコガネ(22.1%),カドマルエンマコガネ(21.7%)の順で以上の3種で全採集個体の約90%を占めた。 2) 種により主としてふんの直下の地中に生息する種とふん内に生息する種とがあったが,両種とも6月中旬から7月中旬にかけて出現のピークがみられた。この出現ピーク時に,地中で生息する種ではふん設置後の経過日数とともに個体数の減少傾向がみられたが,ふん内で生息する種ではこのような傾向はなかった。 3) 比較的個体数の多い12種について,成虫の出現パターンをWHITTAKER (1952)のpercentage similarityを用いて調べたところPS=0.65で三つのパターンにわけられた。また,PS=0.5ではあるが春と秋に出現し,出現パターンの等しいオオフタホシマグソコガネとマグソコガネを一つのグループとすると次の四つのパターンにわけることができた。 春・秋出現型(マグソコガネ,オオフタホシマグソコガネ),初夏出現型(コマグソコガネ,オオマグソコガネ),春から秋にかけて出現・秋ピーク型(フトカドエンマコガネ,クロマルエンマコガネ),夏出現型(フチケマグソコガネ,オビマグソコガネ,コスジマグソコガネ,ウスイロマグソコガネ,ツノコガネ,カドマルエンマコガネ) 4) 個体数の多いフチケマグソコガネ,マグソコガネ,カドマルエンマコガネ,オオマグソコガネでは成虫出現のピークが異なっていた。 |
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ISSN: | 0021-4914 1347-6068 |
DOI: | 10.1303/jjaez.28.217 |