ギンナンの貯蔵中における成分変化
ギンナンを長期間室温で貯蔵する際起こる品質の劣化は, その成分のいかなる変化に基づくものか, またその結果から考えて, ギンナンの劣化を抑え, 良好な品質を永く保つには, いかなる条件で貯蔵すべきかを知るために, A: 低温, 低湿下で開放, B: 低温下で密閉, C: 自然の温度および湿度下で開放, D: 室温下で密閉, E: 高温高湿下で開放の五つの条件でギンナンを5月初旬から10月下旬までの6か月間貯蔵し, その間2か月ごとに水分, 総脂質, 粗繊維, 灰分, 粗タンパク質およびSH基量を測定した。 その結果, AおよびB条件下に貯蔵したものは6か月後, その約90%が硬化することなく,...
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Veröffentlicht in: | Nihon Eiyō, Shokuryō Gakkai shi 1984/08/10, Vol.37(4), pp.373-376 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | ギンナンを長期間室温で貯蔵する際起こる品質の劣化は, その成分のいかなる変化に基づくものか, またその結果から考えて, ギンナンの劣化を抑え, 良好な品質を永く保つには, いかなる条件で貯蔵すべきかを知るために, A: 低温, 低湿下で開放, B: 低温下で密閉, C: 自然の温度および湿度下で開放, D: 室温下で密閉, E: 高温高湿下で開放の五つの条件でギンナンを5月初旬から10月下旬までの6か月間貯蔵し, その間2か月ごとに水分, 総脂質, 粗繊維, 灰分, 粗タンパク質およびSH基量を測定した。 その結果, AおよびB条件下に貯蔵したものは6か月後, その約90%が硬化することなく, 見掛上変質しなかったが, C, DおよびEの条件下に貯蔵したものは, その80%以上が硬化した。 変質した物の分析値には, SHおよび水分における大きな減少と, 総脂質および粗繊維におけるいくぶんかの減少が認められた。これら成分量の変化は, ギンナンの貯蔵期間中における劣化が, タンパク質の網状化, 脱水および脂質の酸化などによることを示しており, 炭水化物の変化との関係は不明な点が残るが, ギンナンの劣化の速さに最も大きな影響を与えるものは, 貯蔵中における温度で, 相対湿度および空気との接触の多少は大きな影響を与えないと考えられた。 したがってギンナンの品質を長期間良好な状態に保つためには, 低温で貯蔵することが最も重要である。 |
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ISSN: | 0287-3516 1883-2849 |
DOI: | 10.4327/jsnfs.37.373 |