窒素肥料に対するインド稲と日本稲の生理, 形態的性質の反応の差異

インド稲と日本稲品種の窒素肥料に対する反応を比較する目的で, インド稲7品種, 日本稲5品種を供試し, 1981, 82年の2年度に, 窒素施用量を少・標・多の3段階のもとにポット栽培して, 種々の形質の変化を比較した.得られた結果は次のごとくである. 1.供試した日本稲品種は, 窒素施用量の増加に伴う穀実収量の増加率がインド稲より大きく, いわゆる耐肥性が大であった. 2.日本稲はインド稲よりも, 窒素施用量の増加に伴う可溶性タンパク, フラクション1タンパク含量, 光合成能力の増加率が大であった.さらに日本稲は光合成/呼吸比も増加したが, インド稲は多窒素条件下では低下した. 3.インド稲...

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Veröffentlicht in:Nettai nōgyō 1984/03/01, Vol.28(1), pp.13-24
Hauptverfasser: オトゥー, アーネスト, 長田, 明夫
Format: Artikel
Sprache:eng ; jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:インド稲と日本稲品種の窒素肥料に対する反応を比較する目的で, インド稲7品種, 日本稲5品種を供試し, 1981, 82年の2年度に, 窒素施用量を少・標・多の3段階のもとにポット栽培して, 種々の形質の変化を比較した.得られた結果は次のごとくである. 1.供試した日本稲品種は, 窒素施用量の増加に伴う穀実収量の増加率がインド稲より大きく, いわゆる耐肥性が大であった. 2.日本稲はインド稲よりも, 窒素施用量の増加に伴う可溶性タンパク, フラクション1タンパク含量, 光合成能力の増加率が大であった.さらに日本稲は光合成/呼吸比も増加したが, インド稲は多窒素条件下では低下した. 3.インド稲は葉面積, 植物体重, 分げつの増加が日本稲より大きい傾向にあった.しかし, 有効茎歩合の多窒素による増加は日本稲のほうが大であった. 4.収量構成要素の中で, 窒素施用量の増加によるポット当り総えい花数 (穂数×1穂えい花数) の増加率は日本稲のほうが大きいことが, 両年度の実験を通じてみられた. 5.インド稲は窒素施用量の増加によって, 退化えい花, 不受精籾が増加したが, 日本稲では影響が少ないか, あるいはかえって減少した. 6.以上のことから, 窒素施用量を増加させた場合, 日本稲はインド稲に比べ, 相対的に乾物生産効率が高く保たれ, さらに生産された乾物が生殖生長へ向けられる割合が大きいため, よく穀実生産を高めるものと考えられる.
ISSN:0021-5260
2185-0259
DOI:10.11248/jsta1957.28.13