蚕体組織のウレアーゼ活性に及ぼす飼料の影響
1) 桑葉育と人工飼料育によって得られた15品種の蚕蛹について,血液のウレアーゼ活性を測定したところ,前者では40∼300mU/mlの活性があり,人工飼料育では検出されなかった。 2) 化蛹直後から成虫に至るまでの全蛹体のウレアーゼ活性は,人工飼料育ではまったく認められなかったが,桑葉育では全般に高く,蛹期後半に低下して成虫で上昇する傾向を示した。 3) 蚕体組織のウレアーゼ活性の発育に伴う変化を検討した結果,人工飼料育では調査したどの組織でも活性が認められなかった。一方,桑葉育では,マルピーギ管,卵巣,脂肪組織,体壁,消化管および絹糸腺では多くの場合活性が認められた。また熟蚕の消化管ではとく...
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Veröffentlicht in: | Nihon Ōyō Dōbutsu Konchū Gakkai shi 1984/05/25, Vol.28(2), pp.49-56 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 1) 桑葉育と人工飼料育によって得られた15品種の蚕蛹について,血液のウレアーゼ活性を測定したところ,前者では40∼300mU/mlの活性があり,人工飼料育では検出されなかった。 2) 化蛹直後から成虫に至るまでの全蛹体のウレアーゼ活性は,人工飼料育ではまったく認められなかったが,桑葉育では全般に高く,蛹期後半に低下して成虫で上昇する傾向を示した。 3) 蚕体組織のウレアーゼ活性の発育に伴う変化を検討した結果,人工飼料育では調査したどの組織でも活性が認められなかった。一方,桑葉育では,マルピーギ管,卵巣,脂肪組織,体壁,消化管および絹糸腺では多くの場合活性が認められた。また熟蚕の消化管ではとくに高い活性が示された。 4) 桑葉育によって得られた卵についてもウレアーゼ活性が認められた。 5) 4齢中期から成虫に至るまでの血液ウレアーゼ活性の変動を人工飼料育と桑葉育の間で比較したところ,人工飼料育ではまったく活性が認められなかったが,桑葉育では4眠中,吐糸完了時(前蛹期)に高い活性を示した。 6) ナタ豆ウレアーゼが経口的に蚕体に取り込まれることを示す結果が得られたが,その活性が全蛹期まで維持されるには熟蚕前2日の投与で十分であることが認められた。また同じ時期に桑葉粉末を人工飼料に塗布して与えても蛹血液にはウレアーゼ活性が現われた。 |
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ISSN: | 0021-4914 1347-6068 |
DOI: | 10.1303/jjaez.28.49 |