上部尿路結石症の栄養学的研究
上部尿路結石症(腎結石, 尿管結石)は, 手術的治療を必要とする泌尿器科的疾患の中で最も多く1), しかも容易に再発するため, 再発予防対策が今後の最も重要な課題となっている. 内外の数多くの学者が上部尿路結石症の発生原因を多方面から研究しているにもかかわらず, 明確な結論の得られていないのが現状であるが, 本邦においては疫学的見地から本疾患を研究した報告は少なく, とりわけ栄養学的な研究は皆無に等しい. そこで食生活が上部尿路結石症の発生に及ぼす影響を検討する目的で, 栄養素摂取量と上部尿路結石症発生率の年次的推移の比較, 上部尿路結石症患者の食生活調査, 上部尿路結石症の発生に最も関係の深...
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Veröffentlicht in: | Nihon Eiyō, Shokuryō Gakkai shi 1984/02/10, Vol.37(1), pp.1-7 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 上部尿路結石症(腎結石, 尿管結石)は, 手術的治療を必要とする泌尿器科的疾患の中で最も多く1), しかも容易に再発するため, 再発予防対策が今後の最も重要な課題となっている. 内外の数多くの学者が上部尿路結石症の発生原因を多方面から研究しているにもかかわらず, 明確な結論の得られていないのが現状であるが, 本邦においては疫学的見地から本疾患を研究した報告は少なく, とりわけ栄養学的な研究は皆無に等しい. そこで食生活が上部尿路結石症の発生に及ぼす影響を検討する目的で, 栄養素摂取量と上部尿路結石症発生率の年次的推移の比較, 上部尿路結石症患者の食生活調査, 上部尿路結石症の発生に最も関係の深い尿中カルシウム(Ca)排泄量と栄養素摂取量との関係について検討したところ, 興味ある知見を得たので報告する. 方法 1. 栄養摂取量と上部尿路結石症発生率の年次的推移の比較 本邦における尿路結石症(上部尿路結石症と膀胱結石などの下部尿路結石も含む)の発生頻度に関して, その実数を把握した調査は行なわれておらず, わずかに戦前から昭和29年までの稲田ら(1955)2)の調査, 昭和30年から昭和39年までの稲田(1966)3)の調査, 昭和40年から昭和52年までの吉田(1979)4)の調査で, 泌尿器科外来受診患者総数に対する上部尿路結石症患者の割合が示されているのみである. |
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ISSN: | 0287-3516 1883-2849 |
DOI: | 10.4327/jsnfs.37.1 |