ザリガニ中枢神経の自発性放電頻度に対するピレスロイドおよびDDT類縁化合物の作用

さまざまな化学構造をしたピレスロイドやDDT, メトキシクロルは, ザリガニ腹部中枢神経において観察される自発性放電頻度を著しく高めた. この生理活性の強さは化合物との処理温度に依存し, 約25℃で最大の活性を示したが, このような活性に対する温度効果は軸索の興奮活性におけるものとよく一致した. 多くのピレスロイドは, ザリガニ中枢神経巨大軸索の静止電位を脱分極させる作用をも示したが, この活性は自発性放電の増強活性より低かった. しかし, 両活性間にはある程度の相関性があり, これらの作用機構が共通のものであることを示唆するものと考えられる. 殺虫剤によって誘起された高頻度の自発性放電は薬剤...

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Veröffentlicht in:Journal of Pesticide Science 1983/08/20, Vol.8(3), pp.283-291
Hauptverfasser: 西村, 勁一郎, 林, 謙一郎, 上野, あかね, 藤田, 稔夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:さまざまな化学構造をしたピレスロイドやDDT, メトキシクロルは, ザリガニ腹部中枢神経において観察される自発性放電頻度を著しく高めた. この生理活性の強さは化合物との処理温度に依存し, 約25℃で最大の活性を示したが, このような活性に対する温度効果は軸索の興奮活性におけるものとよく一致した. 多くのピレスロイドは, ザリガニ中枢神経巨大軸索の静止電位を脱分極させる作用をも示したが, この活性は自発性放電の増強活性より低かった. しかし, 両活性間にはある程度の相関性があり, これらの作用機構が共通のものであることを示唆するものと考えられる. 殺虫剤によって誘起された高頻度の自発性放電は薬剤との処理開始後2時間以上も持続したが, 外部からアセチルコリンを投与した場合には頻度は一時的に大きく増加したものの, その後間もなく処理前のレベル以下にまで低下した. また, 殺虫剤によって高められた自発性放電の頻度は外部より投与したGABAによって抑制された. このような結果から, ピレスロイドやDDTが自発性放電の頻度を高める効果をもたらす作用点を, 軸索, シナプス部位に分離して考察した.
ISSN:1348-589X
0385-1559
1349-0923
DOI:10.1584/jpestics.8.283