外生ジャガイモDNA導入による疫病抵抗性の誘導-特に塗布したDNAの組織内とりこみについて

ジャガイモ疫病に対し抵抗性のジャガイモ種間雑種から抽出したDNAを罹病性品種葉面上に塗布すると,罹病型病斑とともに過敏型病斑を混在してくることから,塗布したDNAがジャガイモ体内に取り込まれる可能性をあきらかにするため実験を行った。DNAを筆または綿棒で塗布した場合,ジャガイモ葉表皮の毛茸またはその付近の組織は破壊された。エチジウムブロマイドを結合させたDNAを塗布すると,この部分に螢光が認められたが,塗布直後に水洗したものでは認められなかった。このDNAを制限酵素EcoRIで処理後塗布した場合,制限酵素処理前のDNAを塗布したものと異型病斑形成率に大差が認められなかったが,Hae IIIまた...

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Veröffentlicht in:Nippon shokubutsu byōri gakkai 1983/07/25, Vol.49(3), pp.331-337
1. Verfasser: 山本, 昌木
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ジャガイモ疫病に対し抵抗性のジャガイモ種間雑種から抽出したDNAを罹病性品種葉面上に塗布すると,罹病型病斑とともに過敏型病斑を混在してくることから,塗布したDNAがジャガイモ体内に取り込まれる可能性をあきらかにするため実験を行った。DNAを筆または綿棒で塗布した場合,ジャガイモ葉表皮の毛茸またはその付近の組織は破壊された。エチジウムブロマイドを結合させたDNAを塗布すると,この部分に螢光が認められたが,塗布直後に水洗したものでは認められなかった。このDNAを制限酵素EcoRIで処理後塗布した場合,制限酵素処理前のDNAを塗布したものと異型病斑形成率に大差が認められなかったが,Hae IIIまたはHha Iで処理したDNAを塗布した場合には,ほとんど異型病斑の形成は認められなかった。供試ジャガイモ品種間でフラクションI蛋白質(FIP)のsmall subunitに相違が認められ,罹病性品種男爵薯のsmall subunitのバンドは他の品種に比べて1本欠除していた。男爵薯葉上に種間雑種96-56のDNAを塗布し,1および7日後調査したが,男爵薯のFIPのsmall subunitのバンド数に増減は認められなかった。
ISSN:0031-9473
1882-0484
DOI:10.3186/jjphytopath.49.331