イヌの尿路結石症: その発生状況
イヌにおける尿路結石症の発生状況について検討するため, 横浜市獣医師会, 大阪麻布獣医臨床研究会の協力を得て, 1981年9月より10月までの2ヵ月間に開業獣医師にアンケート調査と尿路結石の送付を依頼し, 結石の化学成分や種々の発生要因の分析を試みた. 回蚊したアンケートならびに収集した尿路結石は126例 (雌73, 雄50, 不明3) であり, その地域は横浜市79例 (63%) と近畿地方を中心とした1都1道2府11県であった. 品種をみるとマルチーズ28例, 雑種15例, ヨークシャテリア13例, ポメラニアン10例, シーズ8例, ペキニーズおよびダックスフント7例の順であった. 年齢...
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Veröffentlicht in: | Nippon Juishikai zasshi 1982/09/20, Vol.35(9), pp.504-509 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | イヌにおける尿路結石症の発生状況について検討するため, 横浜市獣医師会, 大阪麻布獣医臨床研究会の協力を得て, 1981年9月より10月までの2ヵ月間に開業獣医師にアンケート調査と尿路結石の送付を依頼し, 結石の化学成分や種々の発生要因の分析を試みた. 回蚊したアンケートならびに収集した尿路結石は126例 (雌73, 雄50, 不明3) であり, その地域は横浜市79例 (63%) と近畿地方を中心とした1都1道2府11県であった. 品種をみるとマルチーズ28例, 雑種15例, ヨークシャテリア13例, ポメラニアン10例, シーズ8例, ペキニーズおよびダックスフント7例の順であった. 年齢は1-17才と広範囲にわたっていたが, 5-9才までがもっとも多かった. 発症部位を上部尿路と下部尿路とに大別すると, 上部尿路のみは2例と少なく, 大部分は下部尿路であり, 両者の合併は3例であった. 下部尿路のみでは膀胱のみが81例ともっとも多く, 尿道のみ11例, 膀胱と尿道の合併27例であった. 膀胱結石は雌に多く, 尿道結石はほとんど雄にみられた (92%). 結石の主成分を分析した結果, 燐酸塩が102例 (81%) ともっとも多く, このほかは修酸塩12例, 炭酸塩10例, シスチン2例であった. 燐酸塩の大部分は燐酸マグネシウムアンモニウムと燐酸カルシウムの混合であった. 燐酸塩結石は雌に多く (71%), 逆に蔭酸塩と炭酸塩では90%以上が雄であった. 発生の多くみられた品種の結石は大部分が燐酸塩であったが, ヨークシャテリアでは蔭酸塩, ダルメシアンでは尿酸塩の発生が多かった. 燐酸塩, 尿酸塩, シスチンの発症年齢は6.7, 6.4, 7.0才であったが, 蔭酸塩では9.0才であった. 再発は17例にみられ, このうち16例は燐酸塩結石であった. 再発までの期間は1-24ヵ月であったが, 11例は1年以内に再発がみられた. |
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ISSN: | 0446-6454 2186-0211 |
DOI: | 10.12935/jvma1951.35.504 |