Bacillus thuringiensis subsp. dendrolimus δ-endotoxin の作用機作

Bacillus thuringiensis subsp. dendrolimus の産生する結晶性毒素の細胞内での作用機作について検討した。結晶性毒素を家蚕の消化液プロテアーゼで溶解すると分子量約66,000の毒素タンパク質が得られた。結晶性毒素をNaOHや家蚕の消化液で溶解すると, この他に分子量約230,000や33,000の毒素タンパク質が得られることもあった。この分子量66,000の毒素タンパク質は, 家蚕幼虫の中腸ミトコンドリアのコハク酸脱水素酵素とチトクロムC酸化酵素の活性を阻害した。一方ゴキブリ (P. americana) の中腸ミトコンドリアの酵素活性は阻害されなかった。毒...

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Veröffentlicht in:Nihon sanshigaku zasshi 1982/08/29, Vol.51(4), pp.289-304
Hauptverfasser: 関, 武純, 安部, 一紀, 筒井, 亮毅, 渡辺, 忠雄
Format: Artikel
Sprache:eng ; jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:Bacillus thuringiensis subsp. dendrolimus の産生する結晶性毒素の細胞内での作用機作について検討した。結晶性毒素を家蚕の消化液プロテアーゼで溶解すると分子量約66,000の毒素タンパク質が得られた。結晶性毒素をNaOHや家蚕の消化液で溶解すると, この他に分子量約230,000や33,000の毒素タンパク質が得られることもあった。この分子量66,000の毒素タンパク質は, 家蚕幼虫の中腸ミトコンドリアのコハク酸脱水素酵素とチトクロムC酸化酵素の活性を阻害した。一方ゴキブリ (P. americana) の中腸ミトコンドリアの酵素活性は阻害されなかった。毒素タンパク質はまた, in vivo で家蚕中腸のATPを減少させ, 更に in vitro でチトクロムCを還元した。これらのことから毒素タンパク質は細胞内の呼吸系酵素を阻害し, また酸化的リン酸化の脱共役やATP生成の阻害をひきおこし, 細胞での呼吸とエネルギー生産との関係を断ち切ることが推察された。
ISSN:0037-2455
1884-796X
DOI:10.11416/kontyushigen1930.51.289