犬の縦隔気腫3例

最近遭遇した犬の縦隔気腫の3症例について報告した. 来院時の共通症状は, 食欲不振ないし廃絶, 呼吸困難 (用力性呼吸), チアノーゼなどで, 1例では著しい皮下気腫が認められた.血液所見では, 動脈血中の酸素分圧 (PO2) の著明な低下が共通して認められた.胸部X線は本疾患の診断に最も有効で, その側面像において, 心臓に出入する血管や食道および気管などが, 縦隔内の空気貯留のために鮮明に認められた. 3例中2例は, 来院翌日に死亡し, 病理解剖の結果, 2例とも食道, 気管 (支) の破裂は認めなかったが, 1例において肺の辺縁部に肉眼的には認められないような小さな気腫空胞 (bleb)...

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Veröffentlicht in:Nippon Juishikai zasshi 1981/09/20, Vol.34(9), pp.416-420,423
Hauptverfasser: 萩尾, 光美, 鳥取, 潤一, 松本, 輝久, 小川, 博之, 熊谷, 丑二, 村上, 隆之, 立山, 晋
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:最近遭遇した犬の縦隔気腫の3症例について報告した. 来院時の共通症状は, 食欲不振ないし廃絶, 呼吸困難 (用力性呼吸), チアノーゼなどで, 1例では著しい皮下気腫が認められた.血液所見では, 動脈血中の酸素分圧 (PO2) の著明な低下が共通して認められた.胸部X線は本疾患の診断に最も有効で, その側面像において, 心臓に出入する血管や食道および気管などが, 縦隔内の空気貯留のために鮮明に認められた. 3例中2例は, 来院翌日に死亡し, 病理解剖の結果, 2例とも食道, 気管 (支) の破裂は認めなかったが, 1例において肺の辺縁部に肉眼的には認められないような小さな気腫空胞 (bleb) が散在しており, 本例の縦隔気腫の原因と考えられた.他の1例は, 開胸手術を実施し縦隔を切開して減圧を行なった結果, 術後の経過は良好であった.
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma1951.34.416