SD雌ラットの自然発生下垂体病変と乳腺に対するその影響について

Slc: SD雌ラット153例について下垂体の自然発生病変を, 13から24ヵ月令まで観察した。肉眼的所見: 腫脹, ウッ血, 嚢腫および灰白色結節が認められた。腫脹は加令にともなって発生率が減少し, ウッ血と合併してみられることが多かった。軽度から中等度のウッ血は, 加令による変化が認められなかったが, 重度のウッ血 (血腫) は, 加令とともに増加する傾向が認められた。嚢腫と灰白色結節は極めて低率であった。顕微鏡的所見: 前葉において, 色素嫌性細胞のび慢性増殖, 結節性過形成と腫瘍および嚢腫の形成が認められた。び慢性増殖の発生率は, 加令にともなって減少したが, 結節性過形成は21カ月令...

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Veröffentlicht in:Experimental Animals 1981/10/20, Vol.30(4), pp.421-433
Hauptverfasser: 内田, 和美, 松沢, 仁子, 草野, 信男, 務台, 方彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:Slc: SD雌ラット153例について下垂体の自然発生病変を, 13から24ヵ月令まで観察した。肉眼的所見: 腫脹, ウッ血, 嚢腫および灰白色結節が認められた。腫脹は加令にともなって発生率が減少し, ウッ血と合併してみられることが多かった。軽度から中等度のウッ血は, 加令による変化が認められなかったが, 重度のウッ血 (血腫) は, 加令とともに増加する傾向が認められた。嚢腫と灰白色結節は極めて低率であった。顕微鏡的所見: 前葉において, 色素嫌性細胞のび慢性増殖, 結節性過形成と腫瘍および嚢腫の形成が認められた。び慢性増殖の発生率は, 加令にともなって減少したが, 結節性過形成は21カ月令以上のラットに高率であった。これら2つの病変は腫瘍への一連の変化であると考えられた。腫瘍の発生率は加令にともなって増加した。中間葉の過形成は2例 (1.3%) のラットに認められたにすぎなかった。肉眼的に正常な下垂体のうち6%に顕微鏡下で腫瘍がみられ, 血腫には全て腫瘍が認められた。下垂体腫瘍を認めた全てのラットは, 肉眼的観察で乳腺の増生がみられ, その多くは乳汁分泌をともなっていた。これらの結果は, 自然発生下垂体腫瘍が乳腺に内分泌的影響を及ぼしたということを示唆した。
ISSN:0007-5124
1881-7122
DOI:10.1538/expanim1978.30.4_421