数種野蚕繭層のX線マイクロアナリシスにみられる差異

6種類の野蚕繭のX線元素分析を行うと同時に灰分量について比較し, 以下のような結果を得た。 1. 灰分量については, 野蚕の種属により大きな違いがあり, なかでも天蚕繭は最も多かったが, また産地によってその量に違いのあることが示された。 2. X線元素分析では多くの野蚕繭においてカルシウム, カリウムが検出され, そのほか種属によっては硫黄, 塩素, ナトリウム, マグネシウム, 燐などの存在が示された。 3. X線マイクロアナリシスの面分析の結果から, カルシウムは繭層の微粒付着物中に多量含まれていることが認められた。しかし, カルシウム, カリウムおよび硫黄の分布が繭層面全体に及ぶことか...

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Veröffentlicht in:Nihon sanshigaku zasshi 1981/08/28, Vol.50(4), pp.293-300
1. Verfasser: 山田, 政枝
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:6種類の野蚕繭のX線元素分析を行うと同時に灰分量について比較し, 以下のような結果を得た。 1. 灰分量については, 野蚕の種属により大きな違いがあり, なかでも天蚕繭は最も多かったが, また産地によってその量に違いのあることが示された。 2. X線元素分析では多くの野蚕繭においてカルシウム, カリウムが検出され, そのほか種属によっては硫黄, 塩素, ナトリウム, マグネシウム, 燐などの存在が示された。 3. X線マイクロアナリシスの面分析の結果から, カルシウムは繭層の微粒付着物中に多量含まれていることが認められた。しかし, カルシウム, カリウムおよび硫黄の分布が繭層面全体に及ぶことから, 成分の多くは繭層セリシン中に存在するものと思考された。
ISSN:0037-2455
1884-796X
DOI:10.11416/kontyushigen1930.50.293