カキ成木から分離したカルス上における器官の分化と形成について

約30年前に接木繁殖されたカキの木から枝を切り取りその形成層からカルスを分離した. 基礎培地は, Murashige と Skoog の培地 (MS), Wolter と Skoog の培地 (WS), および修正WS培地 (WW) を用い, オーキシンはNAA, 2,4-D, およびIBA, を用いた. カルスの誘導とカルスの継代培養は基礎培地, およびオーキシンの種類に関係なく成功した. しかし, カルスにおける不定根の形成は, MS培地にNAA, およびKINを加えた培地上で分離された場合には第1代に始めて認められた. また, MS+NAA+KINに, さらに0.1%酵母エキス, または...

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Veröffentlicht in:Engei Gakkai zasshi 1981, Vol.49(4), pp.557-562
Hauptverfasser: 横山, 奉三郎, 竹内, 正幸
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:約30年前に接木繁殖されたカキの木から枝を切り取りその形成層からカルスを分離した. 基礎培地は, Murashige と Skoog の培地 (MS), Wolter と Skoog の培地 (WS), および修正WS培地 (WW) を用い, オーキシンはNAA, 2,4-D, およびIBA, を用いた. カルスの誘導とカルスの継代培養は基礎培地, およびオーキシンの種類に関係なく成功した. しかし, カルスにおける不定根の形成は, MS培地にNAA, およびKINを加えた培地上で分離された場合には第1代に始めて認められた. また, MS+NAA+KINに, さらに0.1%酵母エキス, またはファイトン (ダイズの分解産物) を加えた培地上で分離, 継代された場合には, 不定根形成は数代の継代培養ののち, 始めて観察された. MS+NAA+KIN上で分離したカルス上における不定根形成頻度は, 分離後数代の間は低かった (3/50) が, 継代を繰り返すにつれ, 徐々に高まり, 最高60%前後まで達した(28/45). そして, さらに継代を続けると, 不定根形成率は再び低下し, 約2年後には全く不定根形成が起こらなくなった. 不定芽の原基は, MS培地上で分離, 継代されたカルス上にしばしば形成され, 明所においては緑化したが, しかし幼植物体への生長は観察されなかった. MS+NAA+KIN上で分離, 継代培養したカルス上には, 不定芽あるいは不定根のいずれにも属さない異常な形態を示す構造体が時折形成された.
ISSN:0013-7626
1880-358X
DOI:10.2503/jjshs.49.557