ウンシュウミカンのいわゆる黄色果について

いわゆる黄色果の原因と実態を明らかにするため, 1973年から1977年にかけて実態調査を行い, 次のような結果を得た. 1. 果皮の色特性については, いわゆる黄色果は紅色果に比べてL値 (明度), b値 (黄色度) が高く, a値(赤色度) が低く, 黄色果はL=60~63, a=17~20, b=34~38, 紅色果はL=56~60, a=22~27, b=32~37の範囲にあった. 2. 果汁成分については, いわゆる黄色果は紅色果に比べて糖度が低く, 酸含量が高かった. また, 黄色果は. 小玉果の割合が高く, 果皮が滑らかで, 果面の傷が少なく, 貯蔵中の果皮のしおれや浮皮の発生が...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Engei Gakkai zasshi 1981, Vol.49(4), pp.505-511
Hauptverfasser: 今村, 俊清, 中村, 早苗, 浅田, 謙介, 神吉, 久遠
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:いわゆる黄色果の原因と実態を明らかにするため, 1973年から1977年にかけて実態調査を行い, 次のような結果を得た. 1. 果皮の色特性については, いわゆる黄色果は紅色果に比べてL値 (明度), b値 (黄色度) が高く, a値(赤色度) が低く, 黄色果はL=60~63, a=17~20, b=34~38, 紅色果はL=56~60, a=22~27, b=32~37の範囲にあった. 2. 果汁成分については, いわゆる黄色果は紅色果に比べて糖度が低く, 酸含量が高かった. また, 黄色果は. 小玉果の割合が高く, 果皮が滑らかで, 果面の傷が少なく, 貯蔵中の果皮のしおれや浮皮の発生が少なかった. 3. 選果場における黄色果の混入割合は, 年により, また地域 (選果場) により異なったが, おおむね10~30%の範囲にあった. 4. 樹内の着果部位では, 黄色果の発生は, 木の部, 特に山側の下部に多く, 照度との関連が認められた. 5. 傾斜地園地の方位では, 北東向きの園は南向きの園に比べて黄色果の発生が多かった. 6. 以上のことから, いわゆる黄色果は樹冠内部や下部の成熟の遅れた小玉果とみられ, その発生には着果部の日照条件が大きく関与していると考えられる.
ISSN:0013-7626
1880-358X
DOI:10.2503/jjshs.49.505