鹿児島県におけるイネグラッシースタント病の発生について

1. 鹿児島県において数年前から発生がみられていた黄化・萎縮し,褐色穂が出穂するなどの症状を呈する水稲は,1978年にグラッシースタント病と同定されたが,1979年には本病が県下全域で多発した。早期水稲の立毛中には発生はほとんど認められなかったが,二番芽生では全域で発生した。普通期水稲では早くから発生を認め,出穂期から収穫期には県下全域で発生がみられ,県の西部と東部の殺虫剤の育苗箱処理と本田初期防除が重要でない地帯で発生が多かった。 2. 二番芽生での発病は立毛時よりも増加することが認められた。 3. 普通期水稲での本病の発生には,本田前期のトビィロウンカの防除がより影響すると考えられる。 4...

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Veröffentlicht in:Kyūshū Byōgaichu Kenkyūkaihō 1980/10/30, Vol.26, pp.3-6
Hauptverfasser: 和泉, 勝一, 深町, 三朗, 牧野, 晋
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:1. 鹿児島県において数年前から発生がみられていた黄化・萎縮し,褐色穂が出穂するなどの症状を呈する水稲は,1978年にグラッシースタント病と同定されたが,1979年には本病が県下全域で多発した。早期水稲の立毛中には発生はほとんど認められなかったが,二番芽生では全域で発生した。普通期水稲では早くから発生を認め,出穂期から収穫期には県下全域で発生がみられ,県の西部と東部の殺虫剤の育苗箱処理と本田初期防除が重要でない地帯で発生が多かった。 2. 二番芽生での発病は立毛時よりも増加することが認められた。 3. 普通期水稲での本病の発生には,本田前期のトビィロウンカの防除がより影響すると考えられる。 4. 普通期水稲および晩植品種比較ほでの調査では,本病の発生には品種間に特に一定の傾向は認められなかった。 5. 本病の罹病によって褐色穂が出穂し,その籾は登熟不良となって減収し,また茶米と死米の発生が多くなった。従って本病の発病は収量の減収要因となるばかりでなく,茶米および死米,登熟不良粒の発生による玄米の品質阻害要因としても重要と考えられる。
ISSN:0385-6410
1884-0035
DOI:10.4241/kyubyochu.26.3