トマト系タバコモザイクウイルスの弱毒系統(L11A)の2・3の性質
トマト系TMVの弱毒系統(L11A)の2, 3の性質について親系統(L)と比較しながら調べた。L11Aの希釈限界は10-7∼10-8であったが,Lは10-8でもなお感染性が認められた。耐熱性について,L11Aは90C 10分間の処理で失活したがLではなお感染性が認められた。70CにおけるL11Aの感染性失活の経時的変化は,Lのそれよりも早いことが示された。ウイルス粒子の形態および長さの分布は,L11AとLの間ではほとんど差異がみられなかった。25Cにおける感染葉汁液の耐保存性について,L11Aが1週間後約50%,1年後10%以下の感染性しか保持しなかったのに対し,Lは各々80%, 50%の感染...
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Veröffentlicht in: | Nippon shokubutsu byōri gakkai 1979/12/26, Vol.45(5), pp.654-659 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | トマト系TMVの弱毒系統(L11A)の2, 3の性質について親系統(L)と比較しながら調べた。L11Aの希釈限界は10-7∼10-8であったが,Lは10-8でもなお感染性が認められた。耐熱性について,L11Aは90C 10分間の処理で失活したがLではなお感染性が認められた。70CにおけるL11Aの感染性失活の経時的変化は,Lのそれよりも早いことが示された。ウイルス粒子の形態および長さの分布は,L11AとLの間ではほとんど差異がみられなかった。25Cにおける感染葉汁液の耐保存性について,L11Aが1週間後約50%,1年後10%以下の感染性しか保持しなかったのに対し,Lは各々80%, 50%の感染性を保持した。L11Aの凍結乾燥標品を22∼25Cで保存した場合,0.01Mリン酸緩衝液,pH 7.0,中で凍結乾燥すると27ヵ月後には失活したが,ショ糖2%添加した区ではよく活性が保持された。また凍結乾燥標品の保存中におけるウイルスの変異性を調べるため,ショ糖添加区の27ヵ月目のサンプルについて生じた50コの局部病斑をそれぞれトマト苗に接種したところ,1株でのみ小不整形の退色斑点を生じた。L11Aのトマト葉ディスクにおける増殖適温は25∼28Cであり,35Cでは増殖しないようであった。一方,Lの増殖適温は28∼30Cであり,35Cでも相当量増殖した。Lに対するL11Aの増殖量の割合は22∼35Cの間で高温になるほど減少した。 |
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ISSN: | 0031-9473 1882-0484 |
DOI: | 10.3186/jjphytopath.45.654 |