除草剤ブタクロールの水田における分解および消失
除草剤ブタクロール (マーシェット) を用いて実験室で行なった実験では, ブタクロールの分解は水溶液において異なるpHでは影響を受けず, また湛水状態の土壌中では温度が吸着に著しく影響することがわかった. 0.05M CaCl2溶液中における蒸散も温度が著しく影響する. 土壌カラムを用いて行なった実験ではブタクロールの溶脱は水の流速と薬剤の使用量と関係がある. 培養液におけるイネの生長は0.5ppm, Chlorella vulgaris の生長は0.1ppmの濃度で阻害を受けた. 一般の使用法で行なった第二期作 (8月) における圃場試験では使用当日水田の水に最高量2.16ppmを認めたが速...
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Veröffentlicht in: | Journal of Pesticide Science 1979/11/20, Vol.4(4), pp.431-438 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 除草剤ブタクロール (マーシェット) を用いて実験室で行なった実験では, ブタクロールの分解は水溶液において異なるpHでは影響を受けず, また湛水状態の土壌中では温度が吸着に著しく影響することがわかった. 0.05M CaCl2溶液中における蒸散も温度が著しく影響する. 土壌カラムを用いて行なった実験ではブタクロールの溶脱は水の流速と薬剤の使用量と関係がある. 培養液におけるイネの生長は0.5ppm, Chlorella vulgaris の生長は0.1ppmの濃度で阻害を受けた. 一般の使用法で行なった第二期作 (8月) における圃場試験では使用当日水田の水に最高量2.16ppmを認めたが速やかに減少し4日後には0.1ppm以下となった. 水田表土 (0~3cm) にも使用当日最高量9.17ppm存在したが4日後には0.5ppm以下となった. イネ (茎葉部) におけるブタクロールの吸収量は使用当日最高量31.2ppmを示したが4日後には測定できなかった. 第一期作 (3月) における圃場試験では若干異なる結果が得られたが恐らく気象条件が著しく異なる結果によるものであろうと思われる. ブタクロールを全面的に使用した水田附近の排水溝水 (使用後3~7日に採取) における残留量を調べた結果は何れも0.06ppm以下であり, 約1ヵ月後にはほとんど検出限界値 (0.001ppm) 付近またはそれ以下であった. 水田におけるブタクロールの分解および消失はかなり容易でありブタクロールの水田における使用は環境の汚染に大きな影響を及ぼすことがないものと思われる. |
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ISSN: | 1348-589X 0385-1559 1349-0923 |
DOI: | 10.1584/jpestics.4.431 |