ジャガイモ萎ちょう細菌病の新潟における発生

1977年6月,新潟市でジャガイモに黒脚病とまぎらわしい病気が発生した。 初め下葉の葉柄に条斑があらわれ,葉がまき上って退緑色となり,やがて黄変する。茎を横断すると髄部が黒褐色となり,導管が変色している。地際部の茎が黒褐変し黒脚病とまぎらわしいものも見られる。病勢がすすむと髄部が腐敗し中空となって倒伏する。 病原細菌はErwinia属細菌で,α-メチルグルコシド,ラクトース,マルトース,トレハロースから酸を産生せず(7日後),マロン酸ナトリウム,クエン酸ナトリウムを利用し,スクロースから還元物質を産生せず,インドールを形成し,レシチナーゼ活性やフォスファターゼ活性が陰性などの特徴を有するので,...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Nippon shokubutsu byōri gakkai 1979/09/25, Vol.45(4), pp.474-477
Hauptverfasser: 富永, 時任, 小笠原, 賢亮
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:1977年6月,新潟市でジャガイモに黒脚病とまぎらわしい病気が発生した。 初め下葉の葉柄に条斑があらわれ,葉がまき上って退緑色となり,やがて黄変する。茎を横断すると髄部が黒褐色となり,導管が変色している。地際部の茎が黒褐変し黒脚病とまぎらわしいものも見られる。病勢がすすむと髄部が腐敗し中空となって倒伏する。 病原細菌はErwinia属細菌で,α-メチルグルコシド,ラクトース,マルトース,トレハロースから酸を産生せず(7日後),マロン酸ナトリウム,クエン酸ナトリウムを利用し,スクロースから還元物質を産生せず,インドールを形成し,レシチナーゼ活性やフォスファターゼ活性が陰性などの特徴を有するので,Erwinia chrysanthemi Burkholder et al. 1953と同定される。同細菌によるジャガイモの萎ちょう細菌病は世界で2番目の,本州では初めての報告である。
ISSN:0031-9473
1882-0484
DOI:10.3186/jjphytopath.45.474