食用赤色2号あるいはアミノ酸過剰毒性に対する各種食物繊維 (dietary fiber) の影響
ラットの低カゼイン半合成飼料に5%グリシン, 3%L-メチオニンあるいは5%L-チロシンを各単独添加したときに生ずる各アミノ酸の過剰毒性に対して,ゴボウから得た食物繊維(Gobo Dietary Fiber:GDF)の5%同時添加の影響を検討した.同時に,半合成飼料への4%アマランス添加により生ずるラットの成長抑制に対して,種々の水溶性あるいは非水溶性DF,さらに2, 3の高分子物質を各3%同時に添加したときの毒性阻止効果を比較した.その結果,次のような知見を得た. (1) 半合成飼料への各アミノ酸の単独過剰添加は,一様に著しい成長抑制として現われたのに対して, GDF同時添加は,いずれのアミ...
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Veröffentlicht in: | Nippon nōgei kagakukaishi 1979, Vol.53(9), pp.291-297 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | ラットの低カゼイン半合成飼料に5%グリシン, 3%L-メチオニンあるいは5%L-チロシンを各単独添加したときに生ずる各アミノ酸の過剰毒性に対して,ゴボウから得た食物繊維(Gobo Dietary Fiber:GDF)の5%同時添加の影響を検討した.同時に,半合成飼料への4%アマランス添加により生ずるラットの成長抑制に対して,種々の水溶性あるいは非水溶性DF,さらに2, 3の高分子物質を各3%同時に添加したときの毒性阻止効果を比較した.その結果,次のような知見を得た. (1) 半合成飼料への各アミノ酸の単独過剰添加は,一様に著しい成長抑制として現われたのに対して, GDF同時添加は,いずれのアミノ酸過剰毒性に対しても阻止効果を示さなかった. (2) ラットのアマランス毒性に対しては, GDFの同時添加でほぼ完全にこれを阻止しえることを再確認すると同時に,新たにセファデックスG-200,食用コンニャク,寒天,そして水溶性CMCに阻止効果を認めた.コンニャクマンナンならびに天然の粘土鉱物であるイモゴライトの3%同時添加時の阻止効果は,統計上有意ではなかった. 以上のことから, GDFが水溶性であるか否かは,アマランス毒性阻止効果の主要因ではないと考えられ,またアミノ酸のように代謝レベルで毒性を示す物質に対してはDFの限止効果が見られないことから, DFの作用はほぼ腸管腔内で発現されるものと思われる. |
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ISSN: | 0002-1407 1883-6844 |
DOI: | 10.1271/nogeikagaku1924.53.9_291 |