犬の胆嚢癌と細網肉腫の合併したいわゆる重複癌の1剖検例

症例は12才, 体重15kg, 雑種の雄犬で, 臨床的には細網肉腫と診断されたものであった. 剖検により全身リンパ節の細網肉腫のほか胆嚢に直径約6cmの腫瘤すなわち胆嚢癌を認めた. 組織学的に, 前者は組織球型の細網細胞からなる細網肉腫, 後者は嚢胞乳頭状腺癌であった. 胆嚢癌は肝, 肺, 肺門リンパ節に転移していた. とくに肺門リンパ節では, すでに細網肉腫が存在している中に胆嚢癌からの転移巣を認めた. 胆石は存在しなかった. 犬におけるこの種の重複癌の症例報告は少ないので, 文献的考察を加えて記載した。...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Nippon Juishikai zasshi 1979/03/20, Vol.32(3), pp.153-157
Hauptverfasser: 阿部, 賢治, 浜崎, 英正, 杉方, 保毅, 多川, 政弘, 黒川, 和雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は12才, 体重15kg, 雑種の雄犬で, 臨床的には細網肉腫と診断されたものであった. 剖検により全身リンパ節の細網肉腫のほか胆嚢に直径約6cmの腫瘤すなわち胆嚢癌を認めた. 組織学的に, 前者は組織球型の細網細胞からなる細網肉腫, 後者は嚢胞乳頭状腺癌であった. 胆嚢癌は肝, 肺, 肺門リンパ節に転移していた. とくに肺門リンパ節では, すでに細網肉腫が存在している中に胆嚢癌からの転移巣を認めた. 胆石は存在しなかった. 犬におけるこの種の重複癌の症例報告は少ないので, 文献的考察を加えて記載した。
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma1951.32.153