ラット血清および血漿乳酸脱水素酵素の比較検討

疾患モデルや毒性テストに多くのラットが用いられ, それらの生化学的データが要求される事が多いが, それらに関しての問題点は多く, 早急の解決が迫られている。バラツキの多いラット血清LDHの原因究明の一端として, 血清及び血漿LDHについて比較検討を行ない次の結果を得た。 1) 血清LDH活性は血清分離までの血液放置時間とともに増大するが, 血漿では一定値を保った。 2) PRPにカルシウムを添加することにより, 血清LDH活性の上昇を説明しうる血小板からのLDH放出を認めたが, ADP, トロンビンでは認められなかった。 3) このカルシウムによる血小板からのLDH放出はアスピリンによって阻害...

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Veröffentlicht in:Experimental Animals 1978/04/25, Vol.27(2), pp.167-175
Hauptverfasser: 江守, 利博, 高橋, 正一, 長瀬, すみ
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:疾患モデルや毒性テストに多くのラットが用いられ, それらの生化学的データが要求される事が多いが, それらに関しての問題点は多く, 早急の解決が迫られている。バラツキの多いラット血清LDHの原因究明の一端として, 血清及び血漿LDHについて比較検討を行ない次の結果を得た。 1) 血清LDH活性は血清分離までの血液放置時間とともに増大するが, 血漿では一定値を保った。 2) PRPにカルシウムを添加することにより, 血清LDH活性の上昇を説明しうる血小板からのLDH放出を認めたが, ADP, トロンビンでは認められなかった。 3) このカルシウムによる血小板からのLDH放出はアスピリンによって阻害されなかったが, 使用する容器の材質により大きく影響を受けた。 4) 種々の病態モデルを作成し, 血清または血漿のLDH活性を検討したところ, 血漿の方が早期に病態を反映する成績を得た。
ISSN:0007-5124
1881-7122
DOI:10.1538/expanim1978.27.2_167