モモハモグリガによるモモの落葉: I 幼虫密度との関係
モモハモグリガの幼虫密度とモモの落葉程度との関係を調査し,以下の結果を得た。 1973年の7月∼9月にかけて激しい落葉により葉枚数が減少したが,これは第3∼第6世代の幼虫の多発にともなうものであった。年間の落葉率(%)の消長は,1葉当り幼虫密度の消長と極めて類似した。また,各調査日ごとの幼虫密度の対数値と落葉率との間に直線関係が存在し,落葉の起こる限界の密度は,1葉当り約2頭であると推定された。同様の関係は調査樹ごとの幼虫密度と落葉率との間にも認められたが,それ程明瞭ではなかった。個々の葉を比較すると,葉位の低いものほど落葉しやすい傾向が認められたが,葉位に大差なければ,1葉当り生息数の多い葉...
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Veröffentlicht in: | Nihon Ōyō Dōbutsu Konchū Gakkai shi 1978/02/25, Vol.22(1), pp.1-6 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | モモハモグリガの幼虫密度とモモの落葉程度との関係を調査し,以下の結果を得た。 1973年の7月∼9月にかけて激しい落葉により葉枚数が減少したが,これは第3∼第6世代の幼虫の多発にともなうものであった。年間の落葉率(%)の消長は,1葉当り幼虫密度の消長と極めて類似した。また,各調査日ごとの幼虫密度の対数値と落葉率との間に直線関係が存在し,落葉の起こる限界の密度は,1葉当り約2頭であると推定された。同様の関係は調査樹ごとの幼虫密度と落葉率との間にも認められたが,それ程明瞭ではなかった。個々の葉を比較すると,葉位の低いものほど落葉しやすい傾向が認められたが,葉位に大差なければ,1葉当り生息数の多い葉ほど落葉率が高かった。また,このような落葉が本種個体群に対して,密度依存的な過程として大きな影響を与えうると考えられた。 |
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ISSN: | 0021-4914 1347-6068 |
DOI: | 10.1303/jjaez.22.1 |