公共育成牧場における牛の社会的行動と増体
冬期間農家の牛舎に舎飼いされていた子牛が春から秋の間公共草地に預託放牧されると種々のストレスを受けやすい。このストレスの原因究明と予防策を探ろうとして昭和48年5月から10月までの間,新潟県新発田市営板山放牧場に預託放牧された81頭のホルスタイン種めす子牛を対象として放牧活動を観察し,入牧時の月齢,補助飼料給与時の角つき行動などからみた牛の強弱などと増体との関係について調査を行い考察を試みた。その結果は次のように要約される。1.放牧の初期,終期ともに月齢と勝率との間に相関が認められたが,勝率と体重との相関は放牧終期にのみ有意であった。2.放牧経験牛は未経験牛よりも勝率が高く,遅れて入牧した牛は...
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Veröffentlicht in: | Nippon Sōchi Gakkaishi 1976/12/25, Vol.22(4), pp.301-306 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 冬期間農家の牛舎に舎飼いされていた子牛が春から秋の間公共草地に預託放牧されると種々のストレスを受けやすい。このストレスの原因究明と予防策を探ろうとして昭和48年5月から10月までの間,新潟県新発田市営板山放牧場に預託放牧された81頭のホルスタイン種めす子牛を対象として放牧活動を観察し,入牧時の月齢,補助飼料給与時の角つき行動などからみた牛の強弱などと増体との関係について調査を行い考察を試みた。その結果は次のように要約される。1.放牧の初期,終期ともに月齢と勝率との間に相関が認められたが,勝率と体重との相関は放牧終期にのみ有意であった。2.放牧経験牛は未経験牛よりも勝率が高く,遅れて入牧した牛は他の牛よりも勝率が低かった。3.入牧後1か月の増体量と放牧全期間中の増体量とは相関が有意であった。4.舎飼期間中多頭飼育されていた子牛は,少頭数飼育の農家の子牛にくらべて入牧後の増体がすぐれた。以上の結果から,公共育成牧場に放牧されている牛群はまだ月齢が若く,他の動物の社会にみられるような順位制の顕著な社会構造を作っておらず,数頭を単位としたグループの集まりであるということが考えられる。したがって,入牧前からグループを作りやすくするような社会的馴致を考慮することは,育成牛群の増体にとって良い結果をもたらすということができよう。 |
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ISSN: | 0447-5933 2188-6555 |
DOI: | 10.14941/grass.22.301 |