レシチンで調製したo/w型エマルションの分散状態におよぼすレシチン濃度の影響
レシチン0.2~20.0%wt./wt.を乳化剤とし,分散相であるケロシン中に溶かして,一定条件で攪拌乳化して分散相容積分率0.5のo/w型エマルションを調製し,得られたエマルションの分散状態に関して次のような結果を得た. 1. レシチン・ケロシン溶液/水界面の界面張力を測定したところ,界面張力が平衡に達するのにかなりの時間を要した.また,平衡界面張力の値はレシチン濃度の増加とともに小さくなるが, 1.0%wt./wt.を越えるとほぼ一定となった. 2. エマルションの分散粒子の油滴の大きさとその分布を顕微鏡法で測定した結果,どの試料も対数正規分布関数で近似し得ることがわかった. レシチン濃度...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | Nippon nōgei kagakukaishi 1975, Vol.49(2), pp.75-79 |
---|---|
Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | レシチン0.2~20.0%wt./wt.を乳化剤とし,分散相であるケロシン中に溶かして,一定条件で攪拌乳化して分散相容積分率0.5のo/w型エマルションを調製し,得られたエマルションの分散状態に関して次のような結果を得た. 1. レシチン・ケロシン溶液/水界面の界面張力を測定したところ,界面張力が平衡に達するのにかなりの時間を要した.また,平衡界面張力の値はレシチン濃度の増加とともに小さくなるが, 1.0%wt./wt.を越えるとほぼ一定となった. 2. エマルションの分散粒子の油滴の大きさとその分布を顕微鏡法で測定した結果,どの試料も対数正規分布関数で近似し得ることがわかった. レシチン濃度が2.0%wt./wt.を境にして,大小いずれにずれても粒度分布は粒径の大きい方向へずれており,平均粒子直径はレシチン濃度2.0%wt./wt.で最も小さい. 3. レシチン濃度2.0%wt./wt.で,エマルションの静置による分散相の分離最は最小値を示した.また,このレシチン濃度の両側で相分離の状態が異なっていた. 低濃度側では主として界面張力の影響を受け,高濃度側では界面へのレシチンの吸着状態の変化が影響してくるものと思われる. 4. レシチン濃度2.0%wt./wt.の場合に,水相に食塩を添加してエマルションを調製したところ,食塩濃度0.001Mでは影響を受けず, 0.1M以上ではレシチンの乳化作用はほとんど失われ,調製直後にエマルションは解消した.界面張力の測定によって、塩がレシチンの界面張力低下作用を妨げる作用と乳化作用を妨げる作用とは,きわめてよく一致している. |
---|---|
ISSN: | 0002-1407 1883-6844 |
DOI: | 10.1271/nogeikagaku1924.49.75 |