促成球根類に対するくん煙・気浴処理の利用に関する試験(1) : 球根アイリス・フリージアの冷蔵感度向上に対するくん煙処理の効果

球根アイリスおよびフリージアの冷蔵前の球根に対し，もみがらを燃焼した煙をあて，高温処理と比較した結果，球根アイリスではブラインド球の，またフリージアでは不発芽球の発生をそれぞれ防止し，いずれも冷蔵感度を高め，その効果は高温処理よりもむしろ高いようであった。また両種について球重による効果の差を供試した結果とくに小球ではその効果が高く，冷蔵感度をほぼ近い状態にそろえるような結果となった。同様な意味で球根生産地の条件による冷蔵感度の差もある程度少なくすることができるもののように思われた。球根アイリス，フリージアのいずれもくん煙処理区はやや茎葉の伸長が抑えられたが，これは冷蔵感度が高まった結果とも考えられ，冷蔵期間などを若干短縮させることにより実用上とくに支障はないもののように考えられる。