乳癌のサブタイプと超音波画像の比較検討

目的:近年ではサブタイプ分類に基づいた乳癌の個別化治療がすすめられている.そこで超音波(US)画像からサブタイプ毎の特徴的所見を明らかにするため検討した.対象と方法:2012年2月~2016年6月に浸潤性乳癌と診断しサブタイプ分類をした193例中,トリプルネガティブ乳癌(TN)29例,HER2過剰発現乳癌(HER)25例,HER2陰性のluminal like乳癌(LUM)139例を検討の対象とし,US画像を以下の6項目において検討した.①発育形態:乳管型,圧排型,浸潤型の3型に分類,②内部エコー:高・等・低・無エコーの4段階に評価,③後方エコー:増強・不変・減弱・消失の4段階に評価,④境界部...

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Veröffentlicht in:Japanese journal of medical ultrasound technology 2018/02/01, Vol.43(1), pp.13-21
Hauptverfasser: 前田, 奈緒子, 佐久間, 浩, 小山, 広人, 伊原, 文恵, 横野, 秀樹, 望月, 美香, 吉本, 賢隆
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:近年ではサブタイプ分類に基づいた乳癌の個別化治療がすすめられている.そこで超音波(US)画像からサブタイプ毎の特徴的所見を明らかにするため検討した.対象と方法:2012年2月~2016年6月に浸潤性乳癌と診断しサブタイプ分類をした193例中,トリプルネガティブ乳癌(TN)29例,HER2過剰発現乳癌(HER)25例,HER2陰性のluminal like乳癌(LUM)139例を検討の対象とし,US画像を以下の6項目において検討した.①発育形態:乳管型,圧排型,浸潤型の3型に分類,②内部エコー:高・等・低・無エコーの4段階に評価,③後方エコー:増強・不変・減弱・消失の4段階に評価,④境界部高エコー像(halo)の有無,⑤点状高エコーの有無,⑥囊胞様構造の有無.結果と考察:①発育形態:TNは圧排型が有意に多く(p<0.01),LUMは浸潤型が有意に多かった(p<0.01).TN, HER, LUMの順に浸潤型が増え,逆に圧排型が減った.乳管型はHERで多い傾向にあったが,有意差は認めなかった(p=0.082).②内部エコー:いずれのサブタイプでも低エコーが多い傾向にあった.③後方エコー:TNは増強が有意に多く(p<0.01),LUMは減弱が有意に多かった(p<0.01).HERは不変が多い結果となったが,有意差は認めなかった(p=0.057).④境界部高エコー像(halo):LUMで有意に多い結果となった(p<0.01)⑤点状高エコー:HERで有意に多い結果となった(p<0.05).⑥囊胞様構造:TNで有意に多い結果となった(p<0.01).これらサブタイプ毎の特徴的所見は,発生母細胞の癌発育メカニズムの違いを示唆しているものと考えられる.【結論】US画像で乳癌のサブタイプ毎に異なった特徴的所見が認められた.
ISSN:1881-4506
1881-4514
DOI:10.11272/jss.43.13