UCST型ウレイドポリマーの調製とバイオマテリアルへの展開

生医学材料として応用されている感温性高分子のほとんどは下限臨界溶液温度型高分子であった.これは生理的条件下において上限臨界溶液温度(UCST)型挙動を示す高分子が少なかったためである.筆者らは水素結合性の官能基であるウレイド基をもった高分子が,生理的条件下においてUCST挙動を示すことを明らかにした.またウレイド高分子の冷却によって素早く相分離する性質を利用して,加熱変性の恐れがあるタンパク質のバイオセパレーションシステムを構築した.面白いことに培養細胞にウレイド高分子を相転移温度以下の温度で添加したところ,単層培養状態の細胞がスフェロイド状に形態変化することがわかった.さらに培養温度を相転移...

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Veröffentlicht in:Kōbunshi ronbunshū (Tokyo) 2017/07/25, Vol.74(4), pp.250-256
Hauptverfasser: 畔柳, 奏太郎, 丸山, 厚, 嶋田, 直彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:生医学材料として応用されている感温性高分子のほとんどは下限臨界溶液温度型高分子であった.これは生理的条件下において上限臨界溶液温度(UCST)型挙動を示す高分子が少なかったためである.筆者らは水素結合性の官能基であるウレイド基をもった高分子が,生理的条件下においてUCST挙動を示すことを明らかにした.またウレイド高分子の冷却によって素早く相分離する性質を利用して,加熱変性の恐れがあるタンパク質のバイオセパレーションシステムを構築した.面白いことに培養細胞にウレイド高分子を相転移温度以下の温度で添加したところ,単層培養状態の細胞がスフェロイド状に形態変化することがわかった.さらに培養温度を相転移以上に上げると再度単層培養に切り替えることができ,ウレイド高分子は温度変化によって培養形態をスイッチングできる材料であることが示された.ウレイド高分子は新たな刺激応答性材料として興味深い.
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.2017-0007