桜島切土のり面における外来牧草類の変遷―八谷沢地区の治山堰堤整備を事例として

本報は,桜島八谷沢地区の治山堰堤整備に伴い生じる切土のり面を調査対象に,緑化植物として同のり面に導入された外来牧草類の変遷について検討を行った。結果は以下のとおりであった。対象のり面は大きく 5つの植生型に類型化された。すなわち,外来牧草類が優占するハイウシノケグサ―カモガヤ優占型ならびにカモガヤ優占型,外来牧草類に代わって在来草本類が優占するススキ優占[小]型,ススキ優占[中]型およびススキ優占[大]型に類型化された。ここで,角括弧内の小・中・大は被度の大きさを示している。一方,ハイウシノケグサ―カモガヤ優占型ならびにカモガヤ優占型は施工後 1~2年ののり面からなり,ススキ優占[小]型および...

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Veröffentlicht in:Journal of the Japanese society of revegetation technology 2016, Vol.42(3), pp.444-449
Hauptverfasser: 近藤, 賢太朗, 内田, 泰三, 田中, 淳, 佐藤, 亜貴夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:本報は,桜島八谷沢地区の治山堰堤整備に伴い生じる切土のり面を調査対象に,緑化植物として同のり面に導入された外来牧草類の変遷について検討を行った。結果は以下のとおりであった。対象のり面は大きく 5つの植生型に類型化された。すなわち,外来牧草類が優占するハイウシノケグサ―カモガヤ優占型ならびにカモガヤ優占型,外来牧草類に代わって在来草本類が優占するススキ優占[小]型,ススキ優占[中]型およびススキ優占[大]型に類型化された。ここで,角括弧内の小・中・大は被度の大きさを示している。一方,ハイウシノケグサ―カモガヤ優占型ならびにカモガヤ優占型は施工後 1~2年ののり面からなり,ススキ優占[小]型およびススキ優占[中]型は施工後 3~4年,ススキ優占[大]型は施工後 4~8年ののり面からなった。また,ススキ優占[大]型の施工後 5年目以降ののり面で外来牧草類は確認されなかった。すなわち,桜島の切土のり面に導入された外来牧草類は施工後 3年ほどで衰退しはじめ,代わってススキを主体とする在来種が侵入する。そして,施工後 5年ほどで,外来牧草類は消滅する傾向にあることが明らかになった。
ISSN:0916-7439
0916-7439
DOI:10.7211/jjsrt.42.444