O-1-B23 重篤な皮膚軟部組織感染症を繰り返す3症例における感染予防のための治療経過

緒言重症心身障害児者では、呼吸器・尿路感染とともに重篤な皮膚軟部組織感染症を繰り返す例も多い。今回3症例の感染予防のため治療を行い、比較的良好な経過を得たので報告する。症例132歳女 大島分類1 喉摘後人工呼吸器管理 24歳時に左大腿から足背までの蜂窩織炎、深部静脈血栓症を起こし、抗生剤、ヘパリン、ワーファリン投与にて軽快。その後足背中心の浮腫が残存した。定期的な気道感染罹患もあったが、31歳時に再度同部位の膿痂疹罹患直後、蜂窩織炎罹患。脂肪肝、高トリグリセリド血症に対しトコフェロールニコチン酸、エイコサペンタエン酸を追加後、抗生剤全身投与を要する感染は起こさず、左足背の浮腫も軽減した。症例2...

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Veröffentlicht in:日本重症心身障害学会誌 2016, Vol.41(2), pp.219-219
Hauptverfasser: 福水, 道郎, 喜多, 俊二, 古島, わかな, 田沼, 直之
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:緒言重症心身障害児者では、呼吸器・尿路感染とともに重篤な皮膚軟部組織感染症を繰り返す例も多い。今回3症例の感染予防のため治療を行い、比較的良好な経過を得たので報告する。症例132歳女 大島分類1 喉摘後人工呼吸器管理 24歳時に左大腿から足背までの蜂窩織炎、深部静脈血栓症を起こし、抗生剤、ヘパリン、ワーファリン投与にて軽快。その後足背中心の浮腫が残存した。定期的な気道感染罹患もあったが、31歳時に再度同部位の膿痂疹罹患直後、蜂窩織炎罹患。脂肪肝、高トリグリセリド血症に対しトコフェロールニコチン酸、エイコサペンタエン酸を追加後、抗生剤全身投与を要する感染は起こさず、左足背の浮腫も軽減した。症例252歳女 大島分類1 喉頭気管分離術後、胃瘻造設術後 35歳時右下肢、50歳時に尿閉から膀胱留置カテーテル常設となり尿路感染症を繰り返すため銀コーティングの閉鎖式を使用。50歳時右足背の蜂窩織炎、その5カ月後後左大腿から外陰部にかけての丹毒、51歳時右鼠径部丹毒出現軽快直後、左足蜂窩織炎と繰り返した。その後皮膚ケア強化で予防も図ったが、52歳時、ほぼ同時期に気管支炎と臀部腰鼠径部の丹毒に罹患した。気道感染増悪も繰り返すためカフアシスト®追加、トコフェロールニコチン酸とAMPC少量予防投与も開始し、感染コントロール可能となった。症例335歳女 大島分類1 喉頭気管分離術後 32歳時から外陰部、33歳時大腿〜外陰部・臀部の丹毒、皮膚ケア強化で予防も図ったが、その3カ月後にも鼠径・外陰部の丹毒を繰り返した。AMPC少量予防投与を開始し再発はなくなったが、慢性気管支炎の増悪がときどきみられたため、カフアシスト®追加し両感染のコントロール可能となった。結論3症例とも皮膚軟部組織感染と前後して気道感染増悪が多く、合併症の加療を含め全身状態を改善させ、全方位の感染を防ぐよう努力することが重篤皮膚軟部感染予防につながると考えられた。
ISSN:1343-1439
2433-7307
DOI:10.24635/jsmid.41.2_219_1