O-1-B-14 視聴覚障害と強度行動障害を伴う重症心身障害者への食事の関わり
はじめに重症心身障害者は、身体の障害や発達の遅れなど様々な要因で摂食機能障害をもつことが多い。A氏は本研究に取り組むまで、濃厚流動食を仰臥位で哺乳瓶にて摂取していたが、嚥下機能には問題なかった。当病棟スタッフは『A氏はこだわりが強く、行動パターンは変化しないだろう』という先入観があり、哺乳瓶以外での食事摂取は試みていなかった。病棟で、他患者への摂食訓練の効果がみられたことでスタッフの関心が高まり、A氏に対しても摂食訓練を行った結果、食事摂取方法に変化がみられた。看護において、先入観を持たず関わることが、患者の可能性を引き出すことを再認識したため報告する。対象A氏38歳女性、視覚・聴覚障害を併せ...
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Veröffentlicht in: | 日本重症心身障害学会誌 2013, Vol.38(2), pp.265-265 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | はじめに重症心身障害者は、身体の障害や発達の遅れなど様々な要因で摂食機能障害をもつことが多い。A氏は本研究に取り組むまで、濃厚流動食を仰臥位で哺乳瓶にて摂取していたが、嚥下機能には問題なかった。当病棟スタッフは『A氏はこだわりが強く、行動パターンは変化しないだろう』という先入観があり、哺乳瓶以外での食事摂取は試みていなかった。病棟で、他患者への摂食訓練の効果がみられたことでスタッフの関心が高まり、A氏に対しても摂食訓練を行った結果、食事摂取方法に変化がみられた。看護において、先入観を持たず関わることが、患者の可能性を引き出すことを再認識したため報告する。対象A氏38歳女性、視覚・聴覚障害を併せ持つ強度行動障害患者。方法3カ月間、患者と関わりが多いスタッフ1名が、夕食時に座位でトロミ食をスプーン介助で食事摂取する訓練を実施した。その後食事摂取方法を再検討し2カ月間、訓練に慣れるまで統一した方法で摂食グループ5名が訓練を実施した。以降7カ月間は全スタッフにて訓練実施した。訓練にその後30名以上のスタッフにて実施した。定期的にビデオテープに記録し、摂食機能評価を行った。結果訓練開始3カ月で、座位にてスプーン介助でトロミ食を摂取可能となった。その後食形態や食具の検討・変更を行い、9カ月から車椅子でスプーンにてミキサー食を1〜2割摂取可能となった。考察変化がないと思い込んでいた患者に摂食訓練を行い、食事姿勢、食具、食形態に変化がみられた。訓練開始より、患者と関わりが多い信頼関係が形成されているスタッフが関わることで、患者に訓練が定着したと考えられる。スタッフができない・変化がないという先入観にとらわれており、その結果、患者の可能性を引き出すことが出来ていなかった。今後も患者のあらゆる可能性を考えて関わることが患者のQOL向上につながると考える。 |
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ISSN: | 1343-1439 2433-7307 |
DOI: | 10.24635/jsmid.38.2_265_2 |