根治手術困難な甲状腺髄様癌に対するバンデタニブの使用経験
甲状腺髄様癌の治療は手術が根幹である。一方で,根治手術が困難と判定された症例では,これまで有効な治療法がなかった。バンデタニブはRET・VEGFR・EGFRを標的とした連日投与の内服薬治療薬である。根治手術が困難と判定された甲状腺髄様癌に対してバンデタニブを使用する機会を得た。症例は50歳女性で,縦郭リンパ節の組織診・甲状腺腫瘍の吸引細胞診で髄様癌と診断された。PET-CTで多発骨転移が認められたため,バンデタニブの投与を開始した。カルシトニン・CEAは徐々に減少し,エコーでは甲状腺腫瘍と頸部リンパ節の縮小を認めた。PET-CTでもそれぞれの病変におけるFDG集積の低減を認め,奏功例と考えられ...
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Veröffentlicht in: | 頭頸部癌 2019, Vol.45(1), pp.71-75 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 甲状腺髄様癌の治療は手術が根幹である。一方で,根治手術が困難と判定された症例では,これまで有効な治療法がなかった。バンデタニブはRET・VEGFR・EGFRを標的とした連日投与の内服薬治療薬である。根治手術が困難と判定された甲状腺髄様癌に対してバンデタニブを使用する機会を得た。症例は50歳女性で,縦郭リンパ節の組織診・甲状腺腫瘍の吸引細胞診で髄様癌と診断された。PET-CTで多発骨転移が認められたため,バンデタニブの投与を開始した。カルシトニン・CEAは徐々に減少し,エコーでは甲状腺腫瘍と頸部リンパ節の縮小を認めた。PET-CTでもそれぞれの病変におけるFDG集積の低減を認め,奏功例と考えられた。バンデタニブは甲状腺髄様癌に対する第一選択の分子標的薬であるが,その目的が病勢の進行抑制にある。 |
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ISSN: | 1349-5747 1881-8382 |
DOI: | 10.5981/jjhnc.45.71 |