開排位持続牽引法 (FACT) における関節超音波検査の活用

「要旨」2013年3月より開排位持続牽引法を導入し, 2014年10月まで12例中2例に再脱臼を認めた. これらの臼蓋骨頭間距離及び臼蓋内の介在物に注目し, 詳細を検討した. 対象は2013年3月以降の7例8股, 治療開始月齢は平均7.2か月であった. 超音波前方法を全例におこなった. 臼蓋前縁と骨端核中心を結んだ線上の臼蓋前縁と骨頭の最短距離(Acetabular Anterior Margin-Femoral Head Distance: 以下, AFD)を計測し, 臼蓋内の介在物の有無を評価した. その結果, 整復例のAFDは経時的に健側値に近づいた. 臼蓋内の介在物は徐々に縮小し装具除...

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Veröffentlicht in:日本小児整形外科学会雑誌 2015-12, Vol.24 (2), p.270-275
Hauptverfasser: 及川昇, 平良勝章, 根本菜穂, 石垣乾貴, 長尾聡哉, 山口太平, 徳橋泰明
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」2013年3月より開排位持続牽引法を導入し, 2014年10月まで12例中2例に再脱臼を認めた. これらの臼蓋骨頭間距離及び臼蓋内の介在物に注目し, 詳細を検討した. 対象は2013年3月以降の7例8股, 治療開始月齢は平均7.2か月であった. 超音波前方法を全例におこなった. 臼蓋前縁と骨端核中心を結んだ線上の臼蓋前縁と骨頭の最短距離(Acetabular Anterior Margin-Femoral Head Distance: 以下, AFD)を計測し, 臼蓋内の介在物の有無を評価した. その結果, 整復例のAFDは経時的に健側値に近づいた. 臼蓋内の介在物は徐々に縮小し装具除去時には1例を除き完全に消失していた. 一方で再脱臼例ではAFDは大きく, その後は測定が不可能となった. 臼蓋内の介在物は消失することなく残存した. 今回の結果より, 臼蓋内の介在物の有無, AFDの値が再脱臼の指標となると考えられた. 当院では開排位持続牽引法のstage4を4週, stage5を8週と決めているが, 今後はギプスや装具期間の変更を考慮する必要がある.
ISSN:0917-6950