距骨が重複した軸前性多趾症の1例

「要旨」 軸前性多趾症tarsal typeの発生は比較的まれであるが, 距骨が重複した軸前性多趾症tarsal typeを経験したので報告する. 症例は1歳・女児で, 既往歴・家族歴に特記すべきことはなかった. 左足より内方に突出する重複母趾(第1母趾)のほか, 第2母趾の重複も認め, 母趾は合計3趾であった. 足関節背屈が健側に比べて10°制限があった. 単純X線像では重複した母趾のほかに距骨の重複も認めた. また, 左脛骨に横径の増大がみられた. 軸前性多趾症tarsal typeと判断し, 手術を行った. 術前に足関節の関節造影検査を施行し, 足関節の適合性を確認した. 足関節の安定性...

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Veröffentlicht in:日本小児整形外科学会雑誌 2014-09, Vol.23 (1), p.46-50
Hauptverfasser: 福岡昌利, 関敦仁, 内川伸一, 高山真一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」 軸前性多趾症tarsal typeの発生は比較的まれであるが, 距骨が重複した軸前性多趾症tarsal typeを経験したので報告する. 症例は1歳・女児で, 既往歴・家族歴に特記すべきことはなかった. 左足より内方に突出する重複母趾(第1母趾)のほか, 第2母趾の重複も認め, 母趾は合計3趾であった. 足関節背屈が健側に比べて10°制限があった. 単純X線像では重複した母趾のほかに距骨の重複も認めた. また, 左脛骨に横径の増大がみられた. 軸前性多趾症tarsal typeと判断し, 手術を行った. 術前に足関節の関節造影検査を施行し, 足関節の適合性を確認した. 足関節の安定性を維持するため, 重複した距骨は温存し, 重複母趾のみ切除を行った. 術後2年の最終診察時, 足関節の可動域は健側に比べて背屈10°の制限があるが, 生活には支障を認めていない. 治療方針を決定するうえで関節造影検査は有効であり, 重複した距骨は温存することで良好な成績を得ることができた.
ISSN:0917-6950