長期観察した橈側列形成不全症の1例
「要旨」橈側列形成不全症は比較的頻度が高く, 重要な疾患である. 治療の原則は, 装具療法などの保存的治療であるが, 多くが外科的治療を必要とする. 外科的治療は, centralization法が代表的である. しかし, 橈屈変形の再発や尺骨の発達障害による前腕の短縮などのため, 完成された術式とはいえない. 我々は, 橈側列形成不全の1例を経験した. 症例は, 出生時より診断され, 装具療法を開始した. 3歳時, 7歳時にcentralization法を, 14歳時にイリザロフ法による矯正と前腕の延長を行った. 17歳の最終経過観察時, 経過は概ね良好である. 本症例では, 3歳時の術中,...
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Veröffentlicht in: | 日本小児整形外科学会雑誌 2009-02, Vol.18 (1), p.123-127 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要旨」橈側列形成不全症は比較的頻度が高く, 重要な疾患である. 治療の原則は, 装具療法などの保存的治療であるが, 多くが外科的治療を必要とする. 外科的治療は, centralization法が代表的である. しかし, 橈屈変形の再発や尺骨の発達障害による前腕の短縮などのため, 完成された術式とはいえない. 我々は, 橈側列形成不全の1例を経験した. 症例は, 出生時より診断され, 装具療法を開始した. 3歳時, 7歳時にcentralization法を, 14歳時にイリザロフ法による矯正と前腕の延長を行った. 17歳の最終経過観察時, 経過は概ね良好である. 本症例では, 3歳時の術中, 橈骨の遠位が一部存在していることが明らかになった. 7歳時の手術で接合した橈骨の一部は, 橈側の支持として重要な役割を果たす一方で, 前腕回内外制限の原因ともなった. このため, 正確な病態の把握と手術時期や術式の十分な検討が必要であると考えられた. |
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ISSN: | 0917-6950 |