後内方解離術を行った先天性内反足4例に対する歩行分析評価

「要旨」目的: 先天性内反足の治療において後内方解離術はよく用いられる治療の一つであるが, その成績評価は可動域などの臨床評価またはX線評価によって行われることが多い. 今回我々は後内方解離術後患者にアニマ社製二次元動作分析装置を用いて運動学的・運動力学的評価を行った. 対象は先天性内反足患者4例である. 手術時年齢は平均11か月, 調査時年齢は6歳6か月, 右2例, 左1例, 両側1例の合計5下肢について検討した. 時間距離因子では4例中2例に歩行速度の低下, 4例中3例にストライド長の短縮を認めた. 運動学的変化では5足中1足で立脚期最大背屈角度の減少(4.8°)を認めた. またこの症例は...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本小児整形外科学会雑誌 2009-02, Vol.18 (1), p.84-87
Hauptverfasser: 柳園賜一郎, 山口和正
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」目的: 先天性内反足の治療において後内方解離術はよく用いられる治療の一つであるが, その成績評価は可動域などの臨床評価またはX線評価によって行われることが多い. 今回我々は後内方解離術後患者にアニマ社製二次元動作分析装置を用いて運動学的・運動力学的評価を行った. 対象は先天性内反足患者4例である. 手術時年齢は平均11か月, 調査時年齢は6歳6か月, 右2例, 左1例, 両側1例の合計5下肢について検討した. 時間距離因子では4例中2例に歩行速度の低下, 4例中3例にストライド長の短縮を認めた. 運動学的変化では5足中1足で立脚期最大背屈角度の減少(4.8°)を認めた. またこの症例は遊脚相での背屈減少も認め, 尖足変形の遺残が示唆された. 残りの4足では過剰な背屈を示し, 運動力学的に足関節底屈モーメント, 立脚期足関節パワー産生の低下をみた. また3下肢で立脚期最大膝関節屈曲モーメントの増加がみられ, 正常のankle rockerが獲得できていないと思われた. 臨床的に問題の少ないと考えられた先天性内反足術後症例において歩行分析上異常所見が得られた.
ISSN:0917-6950