動脈硬化性弓部大動脈瘤術後4年目に治療介入を要したIgG4関連大腿動脈瘤の1例

IgG4関連血管病変は大動脈以外の血管病変についての報告は少なく,画像検査や病理検査において典型像を呈さない症例が散見される.今回,IgG4関連大腿動脈瘤の症例を経験した.症例は70代男性,当科初診7年前に前医にて弓部大動脈瘤,上腸間膜動脈瘤,両側総腸骨動脈瘤,両側大腿動脈瘤を指摘された.4年前に弓部病変の瘤径拡大のため前医にて弓部大動脈人工血管置換術が施行された.術後4年のCT検査で右大腿動脈瘤の瘤径拡大を呈し当科紹介となった.血管炎の関連を考え免疫学的検査を行ったところ,IgG4高値(702 mg/dL)を示した.動脈瘤切除人工血管置換術を施行し,瘤壁にIgG4陽性形質細胞の集簇を認めIg...

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Veröffentlicht in:日本血管外科学会雑誌 2023/08/23, Vol.32(4), pp.321-325
Hauptverfasser: 宮石, 慧太, 喜瀬, 勇也, 仲榮眞, 盛保, 稲福, 斉, 和田, 直樹, 古川, 浩二郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:IgG4関連血管病変は大動脈以外の血管病変についての報告は少なく,画像検査や病理検査において典型像を呈さない症例が散見される.今回,IgG4関連大腿動脈瘤の症例を経験した.症例は70代男性,当科初診7年前に前医にて弓部大動脈瘤,上腸間膜動脈瘤,両側総腸骨動脈瘤,両側大腿動脈瘤を指摘された.4年前に弓部病変の瘤径拡大のため前医にて弓部大動脈人工血管置換術が施行された.術後4年のCT検査で右大腿動脈瘤の瘤径拡大を呈し当科紹介となった.血管炎の関連を考え免疫学的検査を行ったところ,IgG4高値(702 mg/dL)を示した.動脈瘤切除人工血管置換術を施行し,瘤壁にIgG4陽性形質細胞の集簇を認めIgG4関連血管病変の診断に至った.破裂予防目的に外科的治療を行ったが,同疾患ではステロイドが血管径拡大を抑制する報告もあり,早期診断により内科的治療の可能性を適切に判断する必要がある.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.23-00039