増大傾向を示した腕頭静脈静脈性血管瘤の1切除例

腕頭静脈静脈性血管瘤(brachiocephalic venous aneurysm: BVA)はまれな疾患であり,破裂や血栓塞栓症の合併が危惧される.症例は70歳女性,胸部異常陰影を指摘され当院紹介となった.造影CT検査にて腕頭静脈の囊状瘤を指摘されたが,無症状であり経過観察となった.しかし,経過中に瘤の拡大傾向(25×39×60 mm→28×47×77 mm)を認めたため手術を行った.胸骨正中切開時にのみ体外循環を使用,単純遮断下に瘤切除,自己心膜によるパッチ形成術を行った.術後は5カ月間の抗凝固療法行ったが,再発や血栓塞栓症の合併なく経過している.BVAの明確な手術適応はないが,囊状瘤で...

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Veröffentlicht in:日本血管外科学会雑誌 2018/04/10, Vol.27(2), pp.121-124
Hauptverfasser: 寺園, 和哉, 山本, 裕之, 荒田, 憲一, 松本, 和久, 四元, 剛一, 井本, 浩
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:腕頭静脈静脈性血管瘤(brachiocephalic venous aneurysm: BVA)はまれな疾患であり,破裂や血栓塞栓症の合併が危惧される.症例は70歳女性,胸部異常陰影を指摘され当院紹介となった.造影CT検査にて腕頭静脈の囊状瘤を指摘されたが,無症状であり経過観察となった.しかし,経過中に瘤の拡大傾向(25×39×60 mm→28×47×77 mm)を認めたため手術を行った.胸骨正中切開時にのみ体外循環を使用,単純遮断下に瘤切除,自己心膜によるパッチ形成術を行った.術後は5カ月間の抗凝固療法行ったが,再発や血栓塞栓症の合併なく経過している.BVAの明確な手術適応はないが,囊状瘤で拡大傾向がある場合は外科的切除を考慮すべきである.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.18-00011