馬蹄腎を合併した腹部大動脈瘤に対してキルトテクニックを併用しステントグラフト内挿術を施行した1 例

要旨:異所性腎動脈(ARA)を伴う馬蹄腎を合併した腹部大動脈瘤(AAA)に対して,type II endoleak発生の回避目的でキルトテクニックを併用したステントグラフト内挿術(EVAR)を施行し良好な結果を得たので報告する.症例は79 歳,男性.腎機能は年齢相応.術前CT で最大径60 mm の腎動脈下AAA を認め,ARA 3 本を伴う馬蹄腎を合併していた.ARA 径は2 mm と細く,それらの灌流する領域が全腎臓の1/3 未満であることが術前の選択的腎動脈造影CT で推測されたため,ARA は温存せずにEVAR を施行した.その際,キルトテクニックを併用してtype II endole...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本血管外科学会雑誌 2015, Vol.24(1), pp.63-67
Hauptverfasser: 鈴木, 博之, 藤松, 利浩, 寺谷, 裕充, 武内, 周平, 保坂, 茂, 田代, 忠
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:要旨:異所性腎動脈(ARA)を伴う馬蹄腎を合併した腹部大動脈瘤(AAA)に対して,type II endoleak発生の回避目的でキルトテクニックを併用したステントグラフト内挿術(EVAR)を施行し良好な結果を得たので報告する.症例は79 歳,男性.腎機能は年齢相応.術前CT で最大径60 mm の腎動脈下AAA を認め,ARA 3 本を伴う馬蹄腎を合併していた.ARA 径は2 mm と細く,それらの灌流する領域が全腎臓の1/3 未満であることが術前の選択的腎動脈造影CT で推測されたため,ARA は温存せずにEVAR を施行した.その際,キルトテクニックを併用してtype II endoleak 発生を防止した.術後は一過性に腎機能の低下を認めたが回復し,術後CT ではエンドリークは認めず,腎の萎縮は軽度であった.ARA を伴う馬蹄腎を合併したAAA へのキルトテクニックを併用したEVAR は有用であると考えられた.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.14-00095