尿道狭窄・膀胱頚部増殖により腎後性腎不全を起こしたAIDSカポジ肉腫の 1 例

症例は 50 歳男性で近医にて痛風,糖尿病で 6 年前に 1 年間治療されていたが,その後通院せず経口薬を 5 年前に自己中断した。3 か月前より鼻尖部,顔面暗紫色皮疹を認めたが放置していた。1 週間前に排尿障害が出現し歩行困難を主訴に救急搬送された。肺炎,尿閉,急性腎後性腎障害を認め緊急入院し,膀胱留置カテーテルを挿入し点滴・抗生剤治療した。入院後,スクリーニング検査で human immunodeficiency virus(HIV)- 1 - 2 PA陽性と診断された。後天性免疫不全症候群関連の Kaposi 肉腫(Kaposiʼs Sarcoma:KS)は悪性化しやすい為,日和見感染の...

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Veröffentlicht in:日本病院総合診療医学会雑誌 2020/07/31, Vol.16(4), pp.224-230
Hauptverfasser: 内田, 叔宏, 舘脇, 李絵, 小坂, 篤志, 坂本, 直也, 鷲野, 拓弥, 岩渕, 千太郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は 50 歳男性で近医にて痛風,糖尿病で 6 年前に 1 年間治療されていたが,その後通院せず経口薬を 5 年前に自己中断した。3 か月前より鼻尖部,顔面暗紫色皮疹を認めたが放置していた。1 週間前に排尿障害が出現し歩行困難を主訴に救急搬送された。肺炎,尿閉,急性腎後性腎障害を認め緊急入院し,膀胱留置カテーテルを挿入し点滴・抗生剤治療した。入院後,スクリーニング検査で human immunodeficiency virus(HIV)- 1 - 2 PA陽性と診断された。後天性免疫不全症候群関連の Kaposi 肉腫(Kaposiʼs Sarcoma:KS)は悪性化しやすい為,日和見感染の検索を行い,皮膚,肺,消化器,膀胱,リンパ節にKSを認めた。腎機能低下の原因は,高尿酸血症性腎症や膀胱頚部前壁の肥厚・硬化を認め,KSが急速に圧排し尿管狭窄したことによる腎後性腎不全であった。HIV感染症が疑われる腎機能障害の症例の場合は,尿道狭窄のほか,膀胱壁から尿管や尿道への圧排がないか配慮しながら診療することが必要である。
ISSN:2185-8136
2758-7878
DOI:10.60227/jhgmwabun.16.4_224