高齢の多発性骨髄腫症例における血栓症予防に対する直接経口抗凝固薬 (DOAC) の投与経験

「要旨和訳」多発性骨髄腫の予後は, 治療薬の開発により著しく改善している. しかしながら, 長期にわたる多発性骨髄腫の治療におけるリスクとして血栓塞栓症がある. 今回, 京都第一赤十字病院において2016年1月から2021年6月に多発性骨髄腫と診断された65歳以上の高齢者を対象に, 直接経口抗凝固薬(direct oral anticoagulants: DOACs)を投与された7症例について後方視的調査を行った. その結果, 主治医の判断により病態から血栓塞栓症発症リスクが高いと判断された7例に対しDOACsの予防投与がされていた. またDOACsとしては減量投与が可能なエドキサバンが選択さ...

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Veröffentlicht in:日本臨床腫瘍薬学会雑誌 2023-07, Vol.31, p.17-23
Hauptverfasser: 小森桂子, 糸井明, 吉原由季, 高橋佳孝, 板倉祥嗣, 苅田明子, 大林巧志, 舩越真理, 内山人二, 沢田尚久, 土谷有美
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨和訳」多発性骨髄腫の予後は, 治療薬の開発により著しく改善している. しかしながら, 長期にわたる多発性骨髄腫の治療におけるリスクとして血栓塞栓症がある. 今回, 京都第一赤十字病院において2016年1月から2021年6月に多発性骨髄腫と診断された65歳以上の高齢者を対象に, 直接経口抗凝固薬(direct oral anticoagulants: DOACs)を投与された7症例について後方視的調査を行った. その結果, 主治医の判断により病態から血栓塞栓症発症リスクが高いと判断された7例に対しDOACsの予防投与がされていた. またDOACsとしては減量投与が可能なエドキサバンが選択されていた. 高齢並びに低体重により減量投与されたDOACs療法は, 出血事象を認めなかった. 高齢の多発性骨髄腫患者の一部に対しDOACsの予防投与を経験したが, 前方視研究を行うことが望まれる.
ISSN:2189-129X